暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八十五話 第6次イゼルローン要塞攻防戦 前哨戦3
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
隊更に接近!総数3000隻以上!」
同盟軍は逃がすまいと更に攻勢を強めてくる。

「戦艦マルグラーフ撃沈!第2分艦隊通信途絶!」
「巡洋艦メーメル撃沈!第5戦隊通信途絶!」
「第3航空戦隊ワルキューレ誘爆に付き発艦不能!」

タンホイザーにはひっきりなしに味方艦艇の損害が入ってくるが、此処まで戦力が段違いであると天才であるラインハルトでさえ場当たり的な指示しかできなくなる。
「紡錘陣形のまま、敵の尤も薄い部分に集中攻撃、敵が怯んだ隙に突破する!」

死にたくない一心で艦隊は紡錘陣形を更に引き締め、斉射三連で包囲網の一角に穴をこじ開けるが、その穴に勢いよく飛び込もうとした艦艇が次々に火球に消える。同盟軍は後方に豊富な予備兵力を持ちあいた穴を素早く塞ぐ。

「もう駄目だ!」
「損傷甚大、救援を請う!」
「人的物的な損害多数!」

この損害にラインハルトも防衛を命ずるしかない。
「損傷した艦艇を内側にして球型陣を取れ!」
ラインハルトもこの状態では時間を稼ぐことしかできない事ぐらい判ってはいるが、何とか突破する方法がないかと思案する中で、数日前にテレーゼに言われた嫌みを思い出していた。

「あら、シェーンバルト男爵、毎日毎日弱い者虐めをして、戦術パターンの練習とは、流石に幼年学校首席卒業ですわね」
頭に来るが、流石に口答えするほど馬鹿では無いのでジッと聴く。
「男爵が、試している戦術パターンだけど、士官学校ではシミュレーションでも実技でも必修科目で習う事だから」

つまり俺は、士官学校卒業生より劣るというのか!そう思って目に憎悪の炎が漂うがそれを無視するが如くテレーゼの口撃が続いた。
「それと言っておくけど、戦場は遊び場ではないわよ、敵だって頭が切れる人物はいる、努々足をすくわれないようにしなければ、兵の命を無駄にする事に成るわよ、くれぐれもそんな真似だけはせぬ事ね」

そう言ってテレーゼは日課の傷病兵の慰問に出かけていったのであるが、それですら偽善と思っているラインハルトには只単に口五月蠅いクソ餓鬼により気分が悪くなっただけと感じていたのが、あの言葉の意味も考えずに無視したことに些かの後悔を感じていた。

そんなラインハルトを見ながら、キルヒアイスは、戦況が刻一刻と悪化する様に“アンネローゼ様、この様な事になるとは、これでお会いする事も敵わないかも知れません”と諦めモードに近いネガティブな考えをしていた。

そんな絶望的な中、包囲している同盟軍から通信が入った。
「敵艦隊より通信が入っています」
此処で通信拒否することも出来るがと考えているとキルヒアイスが心配そうな顔で見つめる。

「ラインハルト様」
「心配するな、通信には出る」

「敵との通信回路を開いて下さい」
キルヒアイスの命令
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ