第四十四話 ヒヨッコ達
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遊間はこの秋からチームの柱を担う事となる。
「何言ってんのよ、アホらしい。せっかくの練習を休んでまでサザンクロスの試合見に来てんのに……」
「あぁ、そうだな。せっかくの練習を休めた上に、可愛い女を眺めてられるんだから有難い事この上ないぜ」
飛鳥はいつまでも鼻の下を伸ばしている佐武の頭をはたいた。これだから男は……とため息をつく。
「でもさぁ、試合見るったって、新道投げてねぇじゃん。怪我したって噂だぜ?新道が投げねぇんだったら、サザンクロスなんて敵じゃねぇだろ。先発のノーコンPもリリーフのサイドスローも、ボコボコにしてやんよ」
「あのねぇ、監督が見てこいって言ったんだから、それなりに監督も警戒してるって事でしょ?あんた自分の見立てと監督どっちを信用すんの?それにねぇ、サザンクロスは今日で三試合連続二桁安打で、強打は健在……」
「ヒットは出てても、長打は随分減ってるけどな。打線はお前がキッチリ抑えりゃ済む話として、やっぱりわざわざ見に来るほどのもんではないわ。」
三人の中で唯一、真面目に試合を見ている飛鳥の生真面目っぷりに佐武はすっかり辟易し、飯島は退屈そうに大きくあくびをかいていた。
(もう!何リラックスしてやがんのよこいつら!夏のベスト8が悔しくないわけ!?)
飛鳥はカッカしながら、グランドに目を戻した。金属バットの高い音が、秋晴れの中に響いていた。
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