15話 『死の宣告』
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るため補助系黒魔法の<ストライ>をランクに掛けた後、<サンダラ>を放って応戦する。
『人間ナド所詮、自ラ犯シタ過チニヨリ愚カナ行為ヲ繰リ返スノミ────ソノ輪廻ニ、オ前達ハ終止符ヲ打テルトイウノカ……?』
土のカオス・リッチは再び髑髏の落ち窪んだ双眼から闇の閃光を放つが、ランクは咄嗟に片腕で目元を庇って後方へ一旦下がり、ビルは反応が遅く避けられなかったが、身体に何の異常も来さない。
『ヤハリ大地ヲ司ル者同士デハ[死ノ宣告]ハ効カヌカ……。キサマヲ亡キ者ニシ、完全ナル大地ノ源ノチカラヲ我ガ物トシテクレル……!!』
白骨している指先が剣のように長く鋭くなり、ビル目掛け容赦なく凪ぎ払われ一度後方へ下がったランクが駆け付けるより速く、マゥスンがビルとリッチの間に割って入り、ビルを片手で後方へ突き飛ばし炎を纏わせた剣でリッチの攻撃を受け流し斬り返して退ける。
────ビルは背が低く軽い為、それなりに後方へ飛んで尻餅をつく。
「ひゃふっ!? ちょっと、強引でスけど助かりまシた、マゥスンさ……っ?!」
次の瞬間ビルがとんがり帽子の下から見上げた光景は、土のカオス・リッチが造り出した<グラビガ>という重力魔法でランクとマゥスンが暗黒物質の大きな球体の中で押し潰されんとしている所だった。
その少し離れた場所では白魔道士のシファが前のめりに蹲り、[死の宣告]が下されたかのように動かなく─────
黒魔道士ビルの中で、何かが弾けた。
大地と緑の精霊が宿る[大地の杖]を掲げると、そこからゴーレム(大地の精霊)、シルフ(緑の精霊)が現れ、こちらに気を逸らさせた土のカオス・リッチに攻撃を仕掛けてゆく。
「ビルの、ヤツ………そンな裏技持ってたンなら、最初っから使えっつーのッ。………? おい、赤魔……?」
かなりのダメージで俯せになり、何とか頭をもたげたランクはいつの間にか立ち上がっていたらしいマゥスンを目で追うと、シファの元で跪き、ぐったりしている彼女を抱き寄せている─────
「なぁ……、まさか、シファは……ッ!」
ランクも何とか身体を起こして歩み寄り、マゥスンに絶望的に問う。
「 ────まだ、間に合うはず」
「 ……ならビルとよく分かンねェ2匹だけに任してらンねーな。オマエはシファの傍に居てやれよ、オレは加勢して……ッ」
「待て、貴様に回復を──── 」
息をしているのか疑うほど白ローブのフードをしている頭部は項垂れ、顔色の窺えないシファを片腕で支えたままもう一方の手で白魔法を掛けてくれるマゥスン。
……その際の彼は羽付き帽子が脱げていて、無感情ながら端正な顔立ちがよく見えた為ランクは一瞬息をのむ。
「それと、貴様の武器を
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