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仮面ライダー龍騎【13 people of another】
Part One.
First chapter.
第3話
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金髪でよく目立つ青年だ。ナナのそばには彼の頭にはまだ少し大きい黒いキャップ帽がある。ナナはいつもこれを被っている。家の中でもほとんど手放そうとはしない。

「朝ごはんは目玉焼きでいいですか?」
「あとソーセージも焼いてくれないか?」
「はい、わかりました」

このナナはこんな見た目をしているが教養の行き届いた稀に見るような青年だった。初めは緊張しているのかと思っていたが、彼はごく当たり前だという風に家事をやってのける。おかげで油島の家は前とは見違えるほどに綺麗になった。
こう見てえ油島は生活力が全くないのだ。よくここまで生きてこれたなと思うほどに。



「読川、今日は仕事が遅くなると思うから、戸締りよろしくな」
「はい、わかりました」

家を出た油島は今までの自分を振り返った。
どうして今、振り返る必要があるのかと尋ねられれば油島はこう答えるだろう「あの読川ナナを見ると「たしか、自分にもこんな時期があったな」と考えてしまったから」



油島は父親はサラリーマン、母親は専業主婦、三人家族のごく平凡の家庭に産まれ、ごく平凡に学校生活を送り、ごく平凡な反抗期と思春期を経て、ごく平凡に生きてきた。記者になったのも成り行きである。
たった一つ、平凡でないといえば最近"仮面ライダー"になったことだろう。仮面ライダーナイトそれが油島総司のもう一つの顔だ。
油島の願いは特に何もなかった。「とりあえず、平和な家庭を築きたい」というのが20後半を過ぎた油島の本音である。

何故あの男が自分を仮面ライダーに選んだのかわからないが、人選ミスにもほどがある。こんな平凡な男を願いを叶えるバトルロイヤルに参加させたのだから。

「そういや、読川の奴を選んだのも人選ミスだな」

よりにもよって、戦いが嫌いなナナをライダーに選んだのだ。彼こそ人選ミスにもほどがある。

「………そもそも、あいつがライダーに選ぶ基準ってのはなんだ?」

あの男の人選ミスは結局、ライダー達を一箇所に集め人々をモンスターから守るライダー軍団ができ一致団結しただけだった。といってもそのうち五人は死んでしまってもういないが……。

「残ったのは、俺と桑元と塚原と日ノ岡、それと読川……そして、その他三名か……」

キィーン

その時、油島はいつもの警告音を聞いた。
ミラーモンスターか、それともあの王蛇か。

「変身!」

油島は誰よりも平和を望む男だった。



───…



「んー……ナナくんはコレも似合いそうだな…」
「あの、服なんて着れればそれでいいんで……」
「悪りぃな、ナナ。亮平は服にはうるさくてな」

ナナは亮平のお下がりの服を借りるために亮平と芳樹が一緒住んでいるアパートに呼ばれていた。しかし
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