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機神呼嵐デモンベイン
第一部『I AM PROVIDENCE〜機神爆誕!魔を断つオバカ伝説の始まりだゾ〜』
第2話「夜歩く時は、空から降ってくる女の子とそれを追っかけるキ○ガイに注意すべし」
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をしながら、ナイアさんはオラの名前を聞いて、愉快そうな怪訝そうな表情を浮かべながらもオラに言った。彼女の申し出は本当にありがたい。これほどの本があったら、マジで日を跨いでしまいそうな気がする。
「おおー、ナイアさんふともも。・・・でも、マジで多いッすね・・・」
「それを言うなら太っ腹じゃあないかな神之介君?・・・それにしても中々いい品揃えだろう?ちょっとばかし無節操に集めすぎたけど」
 やんわりとツッコミを入れながらオラに言うナイアさん。・・・言われてみれば確かにそうかもしれない。
「オラが探してるのはちょっと特殊なモノなんだけど・・・」
「例えば、力のある魔導書とか?」
「うん。・・・って何で知ってんの!?」
 驚きの視線をナイアさんに向ける。そんなオラを見て、ナイアさんはくすりと笑いながら、
「別に大したことじゃないさ。こんな商売をやってるからか何となく分かるんだ。お客の求める本がね」
「ほうほう、そんなもんなのかな?」
 オラの言葉に、ナイアさんは頷きながら続ける。
「特に、魔導書なんて求めている人は特別でね。一目見ただけで分かるんだ。僕は思うんだけどね。魔導書を求める人っていうのは実のところ魔導書に引き寄せられているんじゃないかって。つまり、人が魔導書を選ぶのではなく、魔導書が自らの主人を選ぶってわけさ」
 そういって、ナイアさんは近くの本棚から、一冊の本を取り出した。『断罪の書』・・・れっきとした魔導書だ。
「魔導書は魔術師に力を与え、魔術師はそれを行使し、奇蹟を起こす。・・・『ソロモンの大いなる鍵』、『大いなる教書(グラン・グリモア)』、『ドール賛歌』・・・この『断罪の書』だってそうさ。人間が逆立ちしたって遠く及ばない、叡智の結晶。奇跡の産物。・・・そんなとんでもない力を秘めている本なんだ。魂とかが入っていたって不思議じゃないだろう?」
「確かに・・・そうだゾ・・・」
 オラも魔導書に触れたから分かる。その感覚を思い出せば大いに納得がいった。
 魔導書に宿る念、どす黒い邪念・・・陰鬱な喜び。
 ・・・そして・・・。ああ、いかん。思い出すだけで気分が悪くなりそうだゾ。アレに耐えられなかったから大学を中退したのに・・・。
 何故、今更・・・。
「どうかしたのかい?魔導書の邪気にやられたのかな?」
「あ、いや。ちょっと嫌なこと思い出しちゃっただけだから大丈夫だゾ。とにかく、そこまで分かるなら話が早い。オラに魔導書を譲ってくれないかな?」
 ナイアさんの問いに、答えながらオラは魔導書を譲ってくれるよう頼んだ。・・・だが。
「申し訳ないんだけど、それは無理なんだ」
 残念そうな顔で断られた。
「何で?お金なら大丈夫だゾ」
「そういう事じゃないんだ神之介君。残念なことにこの店には君が必要とする魔導書がないのさ
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