その力は手の中に
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ィに向けた。
「魔神の息吹!」
両手を中心に黒い光の風が吹き荒れ、銃弾全てを吹き飛ばす。
ジェメリィは表情を歪めると、左手からも銃弾を放った。
増えた銃弾にアランは一瞬目を見開き、更に魔力を集中させる。
「くっ……だったら、追加で幻術剣舞!」
ジェメリィの前に展開した魔法陣から、オレンジの剣が生み出され放たれる。
一気に数が増え、アランは唇を噛みしめた。
何かを堪えるように眉をピクピクと動かし、ぎゅっと目を瞑り、そして
「……ああもう!数多すぎるんですよっ!邪魔なんで一撃で終わらせます!文句は聞きません!」
八つ当たりするように、叫んだ。
それと同時に魔神の息吹を消し去り、別の構えを取る。
左腕を前に、右腕を後ろにやり、体を捻る。
黒い光が両腕に集まっていく。
「え、ちょ……何する気!?」
「滅神奥義!」
「奥義ぃ!?」
ジェメリィの表情が引き攣る。
構わずアランは魔力を集中させ―――――
「魔神煉獄撃!」
右腕を前に、左腕を後ろに。
捻りを戻すように、腕を振る。
その動きに合わせて黒い光が揺れ動く。
そして黒い光の刃と化して――――――ジェメリィに、直撃したのだった。
「灰竜の吐息!」
「ほわあ〜!」
灰色の風の球体が“双魚宮”ポワソンを襲う。
気の抜けるような悲鳴を上げながら避けるポワソンをどこか呆れたように見つめるココロは、小首を傾げ訊ねた。
「何であなたはさっきから避けるだけなんですか?」
「こ、怖いからに決まってるじゃないですかぁっ!竜殺しですよ!?人間なんてあっという間に……」
「死にません!」
目に涙を溜めてがくがくと震えるポワソンにツッコむココロ。
何なんだろうこの人、と思いながらココロが両手に魔力を集めようと構えるのと、
「だからこそ……自分の力に出来たら強いですよね」
突如ポワソンが笑みを浮かべて呟いたのは、ほぼ同時だった。
言葉の意味が解らず不思議そうな表情のココロに、彼女は微笑んだまま続ける。
その微笑みは柔らかく優しいモノではなく、冷たいものだった。
「……何を言っているんですか?」
「既に手は打った……そういう事ですよ」
「!」
ポワソンの怪しく冷たい微笑みに寒気を覚えたココロは、ようやく自分の異変に気付いた。
力が抜けていき、別の力が流れ込んでくるような感覚。
自分の両手を見つめるが、何の異変もない。
意味が解らず顔を上げると、ポワソンは微笑んだ。
「私はね、攻撃系の魔法が使えな
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