志乃「兄貴、〇〇〇だしな」
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まず最初に、公式に認められているガヤガヤ動画のサイトから曲をダウンロードする。そして、それをDAWソフトという奴に取り込んだ。
そのソフトに搭載されている機能を使い、原曲を俺達色に料理していく。まぁ、曲のピアノ部分を削ったのと、曲の始まりの前にオリジナルの伴奏である事を示した空きを入れただけなんだけど。
そして、ピアノの音を原曲に合成させ、下地がほぼ完成する。後は声を入れればいいだけだ。
「意外と早く終わったな」
「今は時代が違うから」
そんな爺臭い会話を自然と交わしながら、俺達はひとまず昼飯を食べ、少し休憩した後、機材を持ってカラオケ店に向かった。
マイクスタンド以外はそれぞれのバッグに収納出来たのだが、スタンドは仕方なく俺が手で持っている。あまり見られない姿に、周囲の人に声を掛けられる事もあった。
そして、駅前のカラオケ店に辿り着き、俺は志乃に小さな不安を漏らす。
「ここまで来て言うのもなんだけど、承諾してくれるかな?」
「兄貴はヒーローだから大丈夫」
そのヒーローが、自分の活躍を利用して料金タダにしてもらった件については内緒だ。
俺達は重たい荷物を持って階段を上り、店内に入る。けっこう汗をかいているので、クーラーでも点けてほしいと愚痴りたくなった。
店員は「その荷物どうしたんですか?」と当然のように聞いてきた。そこで俺は、「スタンドあった方が調子上がるんで」と言ってその場をやり過ごした。別にいちいち理由を話す必要は無いっしょ。
指定された部屋に入った時、志乃に
「兄貴、入口で言ってた不安はどうしたの?」
とワザと聞かれ、苦笑いするしかなかった。
まだ時間はある。だが、歌はあまり時間をかけられない。何度も歌ってれば、喉の調子が悪くなり、余計下手になるからだ。
「とりあえず、最大一〇回な。それでもダメだったら、また次回やらせてもらう」
「分かった」
俺の無茶に、志乃は何の心配顔もせず楽々と了承する。それは承知の上、という事だろうか。何だかバカにされているような気がするが、今は気にしないでおこう。
テーブルに機材を置き、ケーブルで各機材を繋げる。さっきと違うのは、ボーカル関係の物が新たに加えられているところだ。
全ての準備が整い、俺はヘッドフォンを付け、マイクスタンドの位置を調節する。もろに耳から曲が流れるという、いつもと違う感覚に緊張が高まる。緊張を解そうと深呼吸をして、志乃に声を掛ける。
「とりあえず、一曲二曲歌わせてくんね?」
*****
カラオケで声出しをすると、やはり喉の感じが違う。発声練習の仕方覚えないとなぁ。
「兄貴、いい加減発声練習とか
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