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相棒は妹
志乃「兄貴、〇〇〇だしな」
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ほぼ全裸に近い身体を見て興奮してるくせに。そういうのは妹じゃなくて彼女にしなよ」

 「だからしてねえって!俺は明日の事について話そうと思っただけで!」

 「そんなの、明日に決めればいいじゃん」

 やっぱり言った。でも、それ言われちゃおしまいなんだよな……。

 今も上半身ブラとパンツだけの志乃を見て、思わず変な気分になってしまう。くそ、ちゃんとしろよ、俺。相手はちっぱい代表の志乃だぞ。俺が望んでるサイズはCカップの筈だろ……!

 「あぁ、じゃあ明日でいいや。悪かったな」

 とりあえず、ここは退散。これ以上こいつと一緒にいると血圧上がって鼻血出ちゃいそう。

 だが、相手は俺の妹だ。そう簡単に逃がしてくれるわけが無かった。

 「兄貴」

 俺がドアの方に足を向けた時、後ろから淡々と俺を呼ぶ声がした。感情の入っていない平坦な声に、俺は思わず身の毛がよだつ。

 「これで済むと思ってんの?」

 俺は慌てすぎて話す順序を間違えた。最初にヘッドフォンを付けていた事を攻めようとしたのだが、半分パ二くっていた俺の思考は、先に自分の目的を話してしまった。

 さあ、どうする?ここを安全にすり抜ける方法はあるか?

 俺が冷静に考えている間にも、志乃は怨念めいた声を発し、俺の頭の中を掻き回す。

 「兄貴はもっと物事をよーく考えた方がいいね。じゃないと、またこういう事になるから」

 ヤバいヤバいヤバいこれ以上なく、ヤバい。

 ここはいっそ逃げるか?ダメだ、逆に追い込まれて最終的に終わる。

 「まぁ、今はいいや。明日は大事な録音があるし」

 ……あれ?今何て言った?だが、ここが現実なのは変わらない。つまり、志乃は許してくれたのか?

 ついさっきまでの緊迫感が無くなり、俺は恐る恐る後ろを向いてみた。のだが――

 「おわぁあ!」

 後ろを向いた直後、顔面に水が掛けられた。しかも……

 「いってええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

 自分でもびっくりするような絶叫を発し、顔面――特に目に生じる痛みを必死に訴える。俺は堪らずうずくまり、両手で顔を押さえる。痛い痛い痛い痛い痛い。シャンプーが目に入ったような鋭い痛み。不純物を取りたいのに出て行ってくれない焦燥、苛立ち。目が取れちまうような錯覚を覚え、心臓がバクバクしている。

 頭上から志乃の声が聞こえる。

 「大袈裟、とは言わない。それが普通の対応だから。これはシャンプー小量とハバネロ小量と水小量を加えて作った催涙スプレー。他にも種類はいっぱいあるけど、これが一番弱い」

 ハバネロ
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