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相棒は妹
志乃「兄貴、〇〇〇だしな」
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事は無いだろう。

 「志乃?起きてる?」

 それでも反応が無く、俺は仕方なく部屋に戻ろうとした。まぁ、こんなの俺の突発的な考えだし、実際問題、明日でも大丈夫だし。

 ちょっとだけガックリしながら部屋の前を離れた時、中からガタンという音がした。そして「わっ」という、廊下にまで聞こえる可愛らしい悲鳴まで聞こえてきた。それを聞いて、俺は軽い安堵を覚え、その次に軽くは無い怒りが血液のように全身を駆け巡った。あの野郎、無視してやがったのか……!

 そう思って、ノック無しで志乃の部屋を勢いよく引く。このまま怒鳴ってやるつもりだった。

 「お前、居留守はひで、え……って」

 だが、俺の声は部屋の内情を見て少しずつ小さくなっていく。そして、視界の中央に映るそれを見て、思考がプツンと途切れた。

 そこには、辺りに私服の体操服を散らばせ、下着姿で耳にヘッドフォンを装着し、ピンクのパジャマのズボンに足を通している途中の志乃がいた。

 「……」

 「……」

 互いに何も発さぬまま、時が止まったかのように静止する。俺にはそれが一時間か半日ぐらいに長く感じられた。というか、今の状況にどうすればいいかが分からない。

 俺の問い掛けに無視していたと思ったら、着替え中だった。そんな答えをいきなりぶつけられても、途中の方式が無いのだから頭が追い着く筈が無い。そもそも、こんな事自体初めてで、これを乗り越えるための式が存在するかどうかも分からなかった。

 とりあえず、茫然として手の動きすら止まっている志乃に、挨拶してみる。多分、ヘッドフォンしてるから聞こえないだろうけど。

 「……よっ」

 そう軽い調子で声を掛けてみる。だが、数秒後に志乃は今まで見た事がないぐらい顔を真っ赤にして、突然俺に近くに置いてあったゴキブリジェットを向けてきた。そして、神速の如くしゃがみ込み、片方の手でヘッドフォンを取ってから低い声で呟いた。

 「兄貴、○○○だしな」

 「ぎゃあああああ!妹にすげえ事言われた!出すわけあるか!」

 ゴキブリジェット。その名が示す意味、それは人類の絶滅。いや、あれを食らった事が無いので分からないが、内部に噴き込まれたら多分終わる。殺虫性のあるあれは、恐らく人間の性器にも効果がある。つか、あれ人殺せると思うぞ。

 過去に志乃にあれを向けられた時を思い出し、背筋に冷たい汗が流れ落ちる。よし、ここは理由を言って奴の非を掴まなければ。

 「確かに悪かった!でも、お前が着替え中だったなんて思わなかったんだよ」

 「私を襲いに来たの?ならそれは無理ね。私には兄貴を殺す事が出来るだけの武器がある」

 「襲わねえよ!でもって危ないもんを部屋に隠してんじゃねえ!」

 「どうせ私の
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