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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第五十七話
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「大丈夫…大丈夫だよ。私ね…、最もステキな事を…今から起こすんだ…」
僅か俯いたまま声を漏らしたカノンノに僕はカノンノを呼ぶ。
皆が心配そうに見る中、カノンノは俯いたまま小さく首を横に振ってそう言葉を出し、次第に俯いていた顔を真っ直ぐと上げて途切れながらも言葉を続けた。
「未来を創るんだよ…。未来を…みんなで…創るんだ…。みんながメリアみたいに、希望を灯していけるような未来を…」
真っ直ぐと上げた顔を一度メリアに向け、そう言葉を続けていくカノンノ。僕達はそれを聞きながら、メリアとカノンノを見守る。
そして、カノンノは再び顔を真っ直ぐと此方に向けて大きく声を出した。
「みんなが、輝けるように…っ!」
カノンノから出された言葉。そしてそれに応えるかのように…一際大きな光が研究室に起こった。
突然の光に僕は思わず目をつぶってしまうが、ゆっくりと目を開けると…そこには展開されていたドクメントの消えたメリアとカノンノの姿が見えた。
「…カノンノ、メリア…身体の方は…?」
「少しふわふわするけど…大丈夫みたい…」
「……私も…大丈夫……」
二人の様子を見ながら僕が問うと、カノンノとメリアはお互いを見合った後そう返事をした。うん…二人とも大丈夫そうだけど…問題は…。
「…ねぇ、実験は成功したわけ?」
「成功はしてる筈だけど、確認は必要ね。カノンノに能力が転写されてるか試してみないと何とも…。…少なくともカノンノの疲労もあるから、すぐには無理ね」
リタの言葉にハロルドはトランスクリプタを確認した後、カノンノの方を見て言葉を出した。
そんなハロルドの言葉にカノンノは少し無理しているように笑ってみせた。
「私は、別に…平気だよ…っぁ」
「カノンノ…あんまり無理したら…僕もちょっと怒るよ?」
「…ぅん…ごめん…」
無理に笑ったままそう言って立っていた場所から動こうとした瞬間、体勢が崩れて転けそうになったカノンノを支え、僕はそのままカノンノを見てそう言ってやった。
全く…本当に、無理して…。
「それじゃ、カノンノが回復するまで確認は無しね。私達はもうしばらくトランスクリプタを確認しておくから、衛司とメリアはカノンノを医務室に送ってあげてね」
「うん…わかった」
「ん…」
リタの言葉に僕とメリアは頷いて、僕はカノンノを背負い医務室へと歩き出した。
ドクメントの転写…無事に終わったけど…本題はまだここからなのだった。
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