第二話 大角少佐!!柔の道の奥義を見よ!その十
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「いよいよでごわす」
「では」
「鈴木少佐にその大任を委ねましょう」
「ジャスティスカイザー征伐」
「それを」
「あの様な者達がいるとは」
西郷は目を閉じてこう言った。
「おいどん達の不徳でごわすな」
「はい、子孫達への教育が至らず」
「あの様な卑怯卑劣な者達が出ています」
「それも我等の不徳」
「残念であります」
「一層の精進が必要でごわすな」
自分達のそれが、というのだ。
「全く以て」
「では我等も」
「これまで以上に」
「心身を鍛えるでごわす」
それを忘れないというのだ。
「そうしていくでごわす」
「では元老も」
「これまで以上に」
「武芸と学問に励むでごわす」
その二つにというのだ。
「そして心身を鍛え」
「子孫達にですな」
「その心身を見せて教え導き」
「そのうえで」
「我等は」
「子孫を道びくでごわす」
これが西郷の言葉だった。
「それでは」
「はい、では」
「これまで以上に」
山本と東郷も応える、海軍衆もまた立派であった。己の不徳を恥じ精進することを決して忘れない。その徳で以て再併合を進めることを。
果し合いの場所は大阪港だった、その港において。
世界各国のマスコミが集まっていた、そして日本人達もだ。
当然子供達もいる、彼等はというと。
既に果し合いの用意をしている鈴木にだ、垂れ幕を持って声援を送っていた。
「少佐頑張って下さい!」
「ジャスティスカイザーなんかやっつけちゃって下さい!」
「その柔道の技で!」
「正々堂々と!」
「子供達よ見ているのだ」
鈴木は海軍将校の軍服を着ている、階級は少佐職種は機関となっている。
その彼は腕を組んでだ、後ろにいる子供達に言うのだった。
「私が悪を懲らしめる姿を」
「うん、頑張って下さい」
「少佐なら絶対に勝てます」
「あんな卑怯な連中にも」
「正々堂々と」
「勝負は正々堂々としなければならない」
鈴木は毅然として言う。
「そして懲らしめるものだ」
「ジャスティスカイザーは殺さないんですか?」
「そうされないんですか?」
「彼等は確かに卑怯卑劣」
先日の初戦でもうこの評価は決まっている、全世界規模で。
「しかし殺生はしていない」
「だからですか」
「殺さないんですか」
「殺生の大罪を犯していないものは戦の場以外では殺してはならない」
やはり毅然として言う鈴木だった。
「我等日帝衆は戦場以外で人は殺さぬ、そしてだ」
「そして?」
「そしてっていいますと」
「我等は武器を持つ者とだけ戦う」
これは絶対、という口調であった。
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