第一部『I AM PROVIDENCE〜機神爆誕!魔を断つオバカ伝説の始まりだゾ〜』
第1話「始まりってのはいつも唐突に起きるもの」
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れ、経済は未だかってないほど潤っているんだゾ。
それが吉にせよ凶にせよ、有り余るほどの活気がこの街にはある。アーカムシティは紛れもなく現在の世界の中心だゾ。
人が集まれば賑わいを見せるのは当然だが、治安の悪化というものも当然付いて回る。増え続ける浮浪者にスラム、暴力と新興宗教が道徳を追いやり、幅を利かせている。取り分け最悪と言われるのが『ブラックロッジ』と名乗る過激派カルト教団だゾ。
魔術師を教祖とする彼らは、実戦こそ魔術の本質と説き、その欲望赴くまま、犯罪に及んでいるんだゾ。この街の凶悪犯罪に分類されるほぼ全てが、何らかの形で彼らに繋がっているのであろうことは間違いない。
・・・何にせよ、この街は激動の時を迎えている。大黄金時代にして大混乱時代にして大暗黒時代。それがこの街、アーカムシティだゾ。富豪も貧民も賢者も愚者も聖人も悪人も老いも若いも子供も大人も男も女も分け隔てなく受け入れ、生かし殺す。
そんな街だからこそ、オラもこうやって生きることが出来るんだが・・・足りない。何かが致命的なまでに足りない。むなしい、空虚だ。オラが5歳の頃はこんなむなしさは感じていなかった。
あの時は、本当に色々あった。平行世界の地球に行ったり、戦国時代にタイムスリップしたり、スパイになったり、B級グルメの命運を託されたりと・・・、冒険、冒険、大冒険な出来事がいっぱいあった。そんな出来事も今は過去の事。
「・・・きっと、あの冒険の日々が忘れられないんだろうな。オラって。・・・さてと、もう寝よっと」
オラは、このむなしさを過去の冒険の日々が忘れられないことだと結論付け、眠りに着いた。
−翌日・・・。
ピンポーン。
「・・・ん?」
不意にチャイムの音で鳴らされたオラ。一体誰だろうか・・・?家賃とかは払ったし・・・、ひょっとして依頼かな?まあ、どうせ掃除とかそんな依頼だろう。そう思いながら、玄関に向かい、ドアを開ける。
「失礼します。こちらが、万事屋しんちゃんですね?」
ドアを開けて現れたのは近所のおばちゃんとかじゃない燕尾服姿の男性。上品で優雅なスマートな痩せ型。それでいてひ弱そうではなく、全身から放たれる研ぎ澄まされた空気と、眼鏡の奥に光る鋭い眼光から日本刀のような印象を受ける。
「あ〜、はい。そうですが。どういったご用件で?」
「仕事の依頼です」
聞こえてきたのは男性のではなく、女性の声。それと同時に男性が前を譲るかのように静かに身を引く。
そこにいたのは、少女だ。男性よりも上品なイメージの少女。整った顔にバランスの良いスタイル、長く纏まった綺麗な黒髪。映画でしか見れなさそうな豪華なドレスはまるで、お姫様を思わせる。・・・年齢は14〜15位だろうな。もう少し、年齢が1〜2歳ほど上だったら、ナンパしてたかも。
「貴
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