第六話
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……知り合いに連絡もしたりしてね。それで、準備万端、決心を固めていざ押してみたんだけど……君たちも聞いただろ?あのアラーム音。あれが鳴って、そしたらいきなりモンスターが大量に湧出してきたもんだから不意を突かれちゃってさ、オレ、リーダーだって言うのに、何もできなくて……なんとか態勢整えようと後退しながら皆必死に戦ってたら、君たちが助けに来てくれたわけだよ」
話すにつれて暗く沈んでいく青剣士の顔から、その時ついに笑顔が消えた。
俺たちが青剣士たちの助太刀に入った時点で、その場にいたモンスターの数は、すでに尋常ではなかった。到着前に彼らも何体か倒しているはずなので、最初はもっと多かっただろう。
その数が突然目の前に現れるのだ。俺からすれば、青剣士の反応は極当然のもので、むしろその後パニックにならずに仲間を守り切った事実を誇れるレベルだと思える。
だが、青剣士にはその功績よりも、前の失態とも言えない失敗が、より重く伸し掛かっているらしい。
考えすぎだと、言ってやることは簡単だったが、表面を掠める程度の慰めを受けたところで、彼の気苦労が収まるとは思えない。ましてや、長身に落ち着いた物腰、明らかに年上の彼には、何を言ったところで子供の戯言と内心で流されるのが関の山だろうと、一度そんな考えが浮かんでしまえば、もう俺に、沈黙以外の選択肢は残っていなかった。
思考の示す通り、せめておちつくまでそっとしておこうと、落ち込む青剣士をちらりと見、だんまりを続ける俺だったが、その時ふと、左目の端で何かが動いた。
「うんうん、すごかったよねあの敵Mobの数!アレがいきなり出てくるんでしょ?そんな状況で生き残れる自信ないよ、あたし。やっぱり皆すごいねえ」
「っ――」
俺の喉から、掠れた声が漏れた。
二人には聞き取られなかったらしく、表情に再び灯りを取り戻し、笑う青剣士とシーラを横目にしながら、溢れる感情を堪え、俺は唇を噛んだ。
それでも胸中に渦巻くこの気持ちは消えてくれなかったが、そうしている内に、いつの間にか話は次の段階へと進んでいた。
「でもね、実はあのトラップ、どうやらただの罠じゃないらしいんだよ」
すっかり元の調子に戻った青剣士の、小学校教師めいた言葉に、シーラが『?』を頭に浮かべる。
その反応に気をよくしたのか、青剣士は大げさに「ふっふっふ」と笑い、ふんぞり返ると、右の親指で自分の後ろを示し、言った。
「ついてきてくれ!」
キザなその背を追って一分、すぐに青剣士は歩みを止めた。
ここは確か、一時間ほど前、まだこの青剣士に出会う前に立ち寄った場所だ。角を曲がった先は三方を壁に囲まれた袋小路で、宝箱、この世界で言うところの《トレジャーボックス》があるわけでもない、ハズレの道だ
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