第十一章
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お嫌ですか?」
「いえ」
イオラトステスの今の問いには首を静かに振って答えた。
「私も。もう悲しみしか残っていないこの場所を離れ」
「あらたな場所でまた幸せを」
「そうしたいと思っています。けれどそれは」
あらためてイオラトステスに顔を向け。そのうえでまた述べるのだった。
「私だけではなく」
「姫様だけでなく」
「貴方と共に。二人で」
そっと彼の方に手をやると彼は微笑んでその手を受けた。そうして二人は生き残ったトロイアの同胞達と共に悲しみの大地を去るのであった。
カサンドラ 完
2008・11・25
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