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戦国異伝
第百七十四話 背水の陣その十三
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した方が増えれば」
「天下はよくなるのですが」
「今天下にないのは心ですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「正しく心がありません」
「左様ですか」
「はい、そうです」
 まさにというのだ。
「そこを正せばよいのです」
「そのうえで公方様の下で」
「そうなります」
 まさにというのだった。
「ではよいですね」
「明日もまた」
「戦です」
 謙信は確かな声で言い切った。
「そなたにも諸将にも兵達にも頑張ってもらいます」
「それでは」
 兼続も応えた、そうした話をしてだった。
 上杉もまた戦に備えていた、この日の戦は終わった。しかし夜が明けるとまた戦になる、このことは誰もがわかっていた。


第百七十四話   完


                          2014・3・10
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