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美しき異形達
第十九話 友人と仲間その四
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「僕がリーダーでいいかな」
「ああ、いいと思うよ」
「私もです」
「私も」
 薊に菊、向日葵が笑顔で答えた。
「そもそも最初から先輩がリーダーシップ取って来たしさ」
「これからもそれでいいかと」
「先輩なら大丈夫ですよ」
「そうですね、先輩なら」
「最適です」
 桜と菫もだ、笑顔で言った。
「宜しくお願いします」
「これからも」
「私も先輩なら」
 裕香もだ、智和に微笑んで答えた。
「最適だと思います」
「皆同じ考えだね、それじゃあね」
 それならとだ、智和は頷いてだった。
 リーダーになることを引き受けた、そうしてだった。
 あらためて一同にだ、笑顔でこう言った。
「ではね、これからね」
「はい、お願いします」
「リーダーとして」
「そういうことでね」
 こうして一同のリーダーが正式に決定した、そのうえでだった。
 智和は一同にだ、こう言ったのだった。
「開陽姉妹のことは衝突は絶対にしない」
「あちらからも仕掛けることはないしな」
「万が一仕掛けてきてもね」
 その場合でも、というのだ。
「その時は防ぐことを中心にして積極的に攻めないことだよ」
「反撃はしてもか」
「自衛の為の反撃に留めてね」
 そうして、というのだ。
「何かおかしいんじゃないかって思うことだよ」
「あちらに考えがあるんじゃないかってか」
「そう、よくある話だけれど」
 薊に応えつつだ、智和は怪人という彼等共通の敵のことを念頭に置きながらそのうえで話をするのだった。
「怪人達が僕達を互いに争わせるとか」
「そういうことがあるからな」
「そう、二つの敵があればね」
「その二つの敵を互いに争わせる、ですね」
 今度は裕香が言った。
「さっきのお話ですけれど」
「そう、そうすればこちらに向かう力も減るし」
「それにその二つの勢力が争って潰し合って」
「敵の勢力も削げますね」
「策略としてよくあるからね」
「だからですね」
「例え姉妹が攻撃してきてもね」
 そうしてもだというのだ。
「よく調べることだよ」
「何か間違いはないか、ですね」
「それで本格的な対立に入ったら」
「得をするのは怪人ですね」
「うん、まだ彼等の全貌はわかっていないけれど」
 怪人達のこともだ、実は一切わかっていないのだ。
「彼等の利益になる様な行為は避けよう」
「そうあるべきですね」 
 菖蒲も智和のその冷静な提案に賛成して頷いた。
「感情的な行動、即断は避けて」
「熟考していこう、そして」
「そしてですね」
「怪人のこともね」
「調べることですね」
「とりあえず彼等の生物的な構造はわかったよ」 
 人とそれぞれの動植物の合成、自然では絶対に有り得ない存在であるということはわかったというのだ。

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