第十九話 友人と仲間その一
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美しき異形達
第十九話 友人と仲間
薊は鈴蘭達と話した次の日の昼休みに共にいた裕香と一緒に校舎の屋上で仲間達にその日のことを話した。
一同は車座になってその話を聞いた、薊達もその車座の中にいる。そうして話を聴き終えてからだ、向日葵が言った。
「とりあえずいいんじゃない?」
「友達になれたからか」
「そう、仲間じゃなくてもね」
共に戦う間柄にはならなかった、しかしだというのだ。
「それでもね」
「いいか」
「うん、いがみ合う関係じゃないならね」
「二人共最初からそういう考えはないな」
全く、だとだ。薊は腕を組んだ姿勢で向日葵に答えた。
「別にな」
「そうよね、だったらね」
「いいか」
「いいじゃない、しかも友好的だし」
「私もそう思うわ」
菫もこう薊に言う。
「満点じゃないにしてもね」
「ベストはやっぱり仲間になってくれたらね」
「それが最高だけれど」
しかし今の状況はどうかとだ、菫は薊に話した。
「八十点かしら」
「点高いな」
「ええ、薊ちゃん達とお友達なら」
菫は今度は裕香も見て言った。
「私達ともね」
「そうよね、友達になれるわよね」
菊も言う。
「それなら」
「そうなるな、そういえば」
「じゃあ今度私達もね」
菊は考える顔で述べた。
「鈴蘭ちゃん達に会って」
「そうするんだな、菊ちゃん達も」
「ええ、悪い娘じゃないのよね」
「そうだよ、全然な」
悪人ではない、薊はこのことは確かだと答えた。
「底意地が悪いとかそういうのはないよ」
「じゃあいいわ、私意地悪な娘嫌いだし」
菊は自分の嫌いな人間のタイプも述べた。
「それならね」
「では今度」
桜も言うのだった。
「私のお家にお招きしてお茶でも」
「お茶っていうと」
「はい、茶道です」
それだとだ、桜は薊ににこりと笑って答えた。
「そのお茶と和菓子でおもてなしを」
「お茶かあ、そういえば鈴蘭ちゃんもな」
「そうそう、茶道部でもあってね」
裕香もここで薊に応えた。
「お茶淹れてくれたわね」
「お抹茶な」
「では私達も」
桜は二人の話を聞いてあらためて言った。
「今度」
「茶道は正座が苦しいけれどな」
それでもだとだ、薊は笑って言う。今も胡座をかいているがスカートの下に赤のスパッツをはいているので中は見えない。92
「それでもな」
「お菓子ですね」
「お抹茶の味も好きになったの」
あの独特の渋みがというのだ。
「だからいいよな」
「そうですね、では時を見て」
桜は微笑んで述べた、そして菖蒲もだった。
表情はないが考えている声でだ、こう言った。
「では今のところは」
「あたし
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