第五幕その二
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「そうなりますね」
「そうです、とにかく今の大阪城はです」
「徳川幕府の頃のお城ですね」
「はい、そうです」
大坂の陣で落城してです、それから後でまた築かれたのです。
「その頃の大阪城にです」
「あの天守閣を置いたのです」
「あの天守閣の形は豊臣家の頃の天守閣を再現したものです」
「徳川時代のお城のところにですね」
「それがあの大阪城と天守閣です」
「そうですね、あのお城にはそうした歴史がありますね」
大阪城のことをです、先生は加藤さんとお話しながらしみじみと思うのでした。
「複雑な歴史ですね」
「しかもあの天守閣は三代目ですから」
「大坂の陣での落城の際に初代が燃えて」
「二代目も江戸時代の初期に落雷で燃えています」
「それで今は三代目ですね」
「昭和の初期に築かれています」
それが今の大阪城の天守閣なのです。
「ですからこの松山城の天守閣とは違い」
「近代的な内装ですか」
「エレベーターもあったりします」
「そうですか」
「この天守閣は初代です」
松山城のこれはというのです。
「何度も修繕はしていますが」
「江戸時代のままですか」
「そして江戸時代の趣がまだ残っています」
「その通りですね、素晴らしい木造建築ですね」
先生はそこに日本も見てお話するのでした。
「このお城の天守閣は」
「松山人の誇りの一つです」
「坊ちゃんや坂の上の雲と並ぶ」
「美味しいものとも」
そうしたものとも、というのです。
「共にです」
「そうなのですね、では」
「はい、これからどうされますか」
「景色は充分堪能しましたので」
「では降りられて」
「お城の中を散策されていいでしょうか」
「はい、どうぞ」
是非にと言う加藤さんでした、そしてなのでした。
先生と動物達は天守閣から見える松山市の景色を楽しんでからそこを降りてです、そうしてなのでした。
今度はお城の中を見て回りました、その中も独特の趣があります。
その中で、です。先生はこう言うのでした。
「こうしてお城を見て回っていますと」
「はい、何か感じられましたか?」
「江戸時代のこの松山城のご領主も歩いておられたのでしょうか」
「はい、そうしていました」
実際にそうだったとです、加藤さんは先生に答えました。
「この城に住んでおられたので」
「そうですね」
「この松山城は殿様も自慢にされておられたとか」
「そうでしたか」
「四国でも高知城と並ぶお城です」
そこまで素晴らしいお城だというのです。
「高知城もいいお城ですが」
「日本にはいいお城が多いですね」
「イギリスのお城とはまた違いますね」
「はい、イギリスのお城は砦か」
「城塞都市ですね」
「日本のお城とはまた違います」
先生はそ
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