喪失‐ロスト‐part1/王子との謁見
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することもできるようになったのである。
「とはいえ、君たちが本当に我ら王党派を支持するものか試すために、あのような無礼を働いたことは事実。許してほしい。何せ、王党派の軍からも命惜しさに貴族派につく者もいたからね」
「いえ、そのことはもう…」
気にしないでほしいと、ルイズは首を横に振った。
「貴族派って奴らが怪獣を操っているって…やはり本当なんですか?」
特にその問いは、その問いを投げかけたサイトにとって、ずっと聞きたかったことだった。アンリエッタが、独自にアルビオンへ放ったとされる間者の話による情報、レコンキスタが怪獣を使役していると言う事実。怪獣の被害に何十年もの間晒され続けてきた身であることもあり無視することはできなかった。
「以前、炎の空賊団たちが参戦してくれた時からこれまで幾度か怪獣がレコンキスタ軍と共に姿を現した。しかしその度、怪獣はその気になればすぐそばのレコンキスタ軍を踏みつぶせるはずにもかかわらず、奴らは一度たりともレコンキスタに手を下してこなかった。それどころか、我ら王軍だけに危害を加え、主にこの大陸の北方の街は壊滅させられた」
ウェールズから引き継ぐ形で、ギルが続けて説明を入れた。
「おかしいと思って、わしらはグレンたちに貴族派の重役の一人を捕まえさせ、捕虜に口を割らせたら、はっきりと言ったんじゃ。『レコンキスタの長であるクロムウェル閣下は異形の存在をも己の友とした』とね」
「異形の存在を、己の友に…?まさか!」
気付いたサイトはウェールズと三兄弟の空賊船長、そしてグレンを見た。その視線を受け止め、ガルが頷きの姿勢を見せた。
「そう、簡単に言っちまえば、レコンキスタのリーダーであるクロムウェルと言う男は、怪獣を使役する力を持っている」
「クロムウェル…確か噂で聞いた反乱の首謀者の名前!」
グルからわかりやすくも、驚くべき事実を聞いて声を上げたギーシュを見て、ウェールズがゆっくりと頷いた。
「単純に聞いたところで信じがたい話なのだが、レコンキスタは出現してまだ日が浅い。にも拘らず、各地のアルビオン貴族や賊共を次々と自分の味方に引き入れた。その上、これまでハルケギニアでは姿を見せたばかりの怪獣を操っている。
我々もトリステインに怪獣が出現したと言う話は聞いている。もしかしたら…」
「トリスタニアに現れたディノゾールも、クロムウェルが呼び出していたと?」
キュルケがふと、サイトがルイズに剣を買ってもらうために彼女と共に王都へ出かけたときのことを思い出す。トリスタニアと言う一国の中心が襲われ、そしてトリステインからハルケギニア中へと怪獣の脅威を知らしめることとなった悪夢の一日。その時のトリスタニアの惨状が、彼らの記憶の中に色濃く残っていた。
「わからないが可能性は十分あるな」
「クロムウェル、一体どこであざ笑
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