最後の休暇
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「……むーん」
俺はウインドウを睨みながら唸った。
ユイの事から早くも四日が経過。ヒースクリフーーーーーー茅場先生がシステム改造に気付いている可能性があり、ウインドウを暫く見ていたのだ。
だが、結果的に俺の思い過ごしだったようで、俺は安心しウインドウを消す。
「どうだったの?」
そこへ、ミザールが朝御飯を運びに俺の部屋に来る。今、俺の部屋で絶賛同居中なのだ。
「ああ………あの人が気付いて無いわけじゃないから警戒はしてたんだが………どうやら思い過ごしらしい」
俺はミザールが差し出した朝御飯の乗った木板を受け取り、机に置く。
「でも、気付いて無いなら良いんじゃないの?」
「それもそうだがなぁ………」
ご飯を食べながら俺は言う。
「だって、あの茅場先生だぜ?見逃す筈ねぇもん。何か裏があるぜ、裏が」
「裏って………そんな事があるわけ…………」
と、ミザールはふと考えて言う。
「…………あるかも。有り得そう、団長なら」
「な?」
俺はご飯を食べ終わると、すぐに眠気が現れる。
「ふぁ…………。済まん、徹夜続きだから寝るわ………」
「あ、うん。お休みー」
俺がベッドに入ると、ミザールが小さく微笑むのが目に見えたが、気にしないようにした。
「う〜ん……………」
四日分の疲れがあったためか、よく眠れた様な気がした。現在時刻は昼を少し過ぎた所だった。
「………時間はそんな立ってねぇなぁ」
俺は起き上がろうと体を起こそうとする。だが、そこで右腕に何か柔らかいものが当たってる事に気が付いた。
「………何だ?」
俺は右を向くと、少し布団が膨らんでいるのが解る。…………まさかとは思うが。いや、そうであって欲しくない。
「…………(ごくっ」
俺は覚悟を決め、布団を自由な左手で掴み、剥ぎ取ると、そこに右腕を胸と腕で拘束して寝ているミザールの姿が。
「勘弁してくれよ…………子供じゃねぇんだから」
俺はぐちぐちと文句を言って、右腕を外そうと動かすが、胸と腕で拘束されているので、外そうとすると服が捲れる事に気が付く。慌てて右腕を元に戻し、多少強引ながら上半身を起こす。
「はぁ…………」
俺はミザールの寝顔を見ながら、溜め息をつく。
「おい、起きろミザール。起きろ」
左手で揺するが、起きない。
「無防備過ぎるぞおい。おーきーろー!!」
更に揺するが、ミザールは右腕を更にきつく掴む。
「………ったく、可愛い寝顔しやがって。襲われても文句言えねぇぞ…………」
俺は再び溜め息を付くと、左手でミザールの頭を撫でる。すると、夢でも俺に撫でられてるのか、にやけ顔になる。
「…………本当に襲っちまうぞ、このやろう」
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