最後の休暇
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俺はミザールのほっぺたを左手でつまみ、引っ張る。これでも起きないミザール。大物かこやつ。
「…………こうなったら最終手段、ラストウェポン」
俺は、左手でウインドウを開き、右手用のウインドウを設定して開く。そこから、あるアイテムをオブジェクト化する。
「すぅー……………」
そして、息を吸い込み、
『起ーきーろー!!しーんーらー!!』
オブジェクト化したスピーカーから大音声が部屋に響きわたる。
「ふぎゃあ!!」
それには流石のミザールも飛び起きる。
「あ………頭が………耳が………キーンて……………」
「やっと起きたか。さっさと俺の右腕放せ」
「へ?あ、えへへー」
「えへへー、じゃ無いわ。とっとと放せ」
すると、ミザールはすぐに腕を放す。
「おい、ミザール。俺があの瞬間に寝るの解ってたな?」
「四日も徹夜すれば、ご飯食べた後寝るくらいは予想つく。まぁ、本当に予想通りだったけど」
…………呆れて物も言えんわ。何この子、怖いわー。
「ったく。お前は襲われたいのか?」
「来人になら襲われても構わないけどね」
「………恥ずかしいことをよく言える」
「私だって恥ずかしい…………」
なら言うな。つか、一生それは言うな。流石に制御出来なくなる。主に俺の気持ちが。
「………新羅。俺は、絶対ここからお前を救ってやる。どんな手を使ってでも」
「来人、もう忘れた?」
「?」
忘れた………って、何を?
「覚えてないならもう一度言うよ。………行くときも帰るときも、二人一緒に。だって、来人が居なきゃ意味ないもん。来人が、キリトが…………二人の英雄が世界を救ったのに、来人だけ居ないくて私だけ居るのは…………悲しいから」
「…………ああ、解った。帰る時は、二人一緒に、だ」
俺は、ミザールを抱き締め、言った。
俺は、ミザール………新羅と言う少女が居てくれただけで、嬉しかった。彼女だけは、どんな手を使おうと絶対に現実に戻して見せる。………例え、俺の命が消え去るとしても。
それから暫くし、ヒースクリフから75層ボス攻略戦への参加を要請するメッセージが届いた。…………クォーターポイントである75層ボス。恐らく、俺と茅場先生の決戦地はそこであると、俺の勘が言っていた。
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