13話 『麗しき血潮』
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「ふあっ、シファさぁん、気が付いたんでスね……!」
黒魔道士特有の丸く黄色い眼光に覗き込まれ、意識を戻したシファは一瞬ビクリとする。
「び、ビル……? わたし、どうして────そうだ、バンパイアは!?」
「あの、えっと、そのでスね……っ」
事の次第を話しにくいビルだが、シファは少し距離を置いた先に他の二人の姿を見つけた。
「マゥスン、立てないのかな。具合悪いんじゃ……! 二人の所に行こう、ビル!」
「 はっ、ハイぃ……!」
「 ────よぉシファ、正気に戻ったみてェな」
走り寄って来たのに気付いたランクの方からそう云われ、シファは疑問を抱く。
「え? 正気に戻ったって……、わたしが??」
「覚えてねェか。……ま、バンパイアの野郎は倒したンだ。咬まれた町の女の方も正気に戻ってるこったろーぜ」
「どういう、事……? わたしの知らない間にバンパイアを倒した、の?」
「終わった事にどーこう云うつもりねェよ。とにかくここにゃ石版みてェなのが端に置かれてるだけで、"土の源"とか云うクリスタルの祭壇らしいモンも見当たンねーし、赤魔の奴はこれ以上動けねェみてーなンだ。一旦メルモンドの町に戻って、体勢立て直そーぜ」
「そう、でスね……。それで、マゥスンさんが動けないっていうのは状態異常のせい、でスか?」
跪き片手で目元を覆ったままなのを心配するビル。
「こいつ、バンパイアに妙な液体ふっ掛けられて目ェ見えなくなったらしい。……なぁシファ、お前の白魔法で何とか出来ねーか?」
「暗闇状態なら、治せるよ。……<ブラナ>!」
一瞬頭部に強い光が閃くが、少ししてマゥスンが小さく首を振る。
「 ………同様の白魔法を私も使ったが、効かないらしい」
「そんな……! ただの暗闇状態じゃないって事? どうしたら──── 」
「とにかく一旦町戻って考えよーぜ。……コイツはオレが抱えてく」
云うなりランクは、マゥスンの身体を両腕にひょいっと軽々横抱きにかかえる。
「ら、ランクさん大胆でスぅ」
「 ………降ろしてくれないか 」
ビルは感心するが、抱えられた当人は居心地が悪いらしい────とはいえ、片手は目元に宛がったままなので表情はよく窺えない。
「助けも借りねェでどうやって町まで戻る気だッ、目ェ見えねーくせに強がってンじゃねェよ。……それにオマエは一度抱え済みだから問題ねェぜ」
「 ────── 」
それ以上何も云わず、されるがままのマゥスン。
「やっぱり……わたし、バンパイアに襲われて操られたんだよね。だから皆に迷惑掛けて、マゥスンがそんな状態に──── 」
「シファだけの責任
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