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アクセル・ワールド 〜赤龍帝の拳〜 (更新凍結中)
プロローグ

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『今から君に一つのアプリケーションを送信する。インストールするかどうかは考えて決めてくれ。』

『いいじゃねえの。あんたがどんな思惑かは知らねえが俺を退屈させないでくれるなら、幾らでもあんたの駒になってやるよ。』

『それが、君のアバターなのか?』

『さぁ、覚悟しろよ純色の六王。てめえらの嘘臭い正義ごときでこの俺を。赤龍帝を止められると思うなよ??』

『あの日、お前に手を引いてもらえなかったらきっと俺はふさぎこんだまま、淋しく独りで死んでいただろう。だから、俺は必ず借りは返す。必ず戻ってくる。姫。』


チチチッと、頭に直接鳴り響く音に無理矢理叩き起こされ、俺は一昨日手に入れたばかりのベッドから這い出る。まだ覚醒していない頭のままキッチンに向かい冷蔵庫から缶コーヒーを一本取り出して一気に飲み干す。最近は朝ごはんは食べずこれですますことが多々ある。あまり健康にはよろしくないらしいのだが、そんなものは気にしない。どうせ自分しかいないのだから誰に咎められるわけでもない。

ーそう言えば、あの頃はよく言われてたなぁ。バランスだとか、行儀悪いとか…

ぼんやりと、昔のことを思い出してみる。昔と言ってもたった二年前のことだ。一人は小さい頃から一緒にいた、元気な幼馴染の女の子。彼女も確か今日から通う学校にいるはずだ。できるならば……………会いたいと言えば会いたいが、会いたくないかと聞かれたら半分半分だ。あいつに会うのはすごく…めんどくさい。そう。めんどくさい奴なのだ。まあ、そいつの話は置いといて。
もう一人は…黒かった。何がって言われると全体的に黒かった。だがそれ故に彼女は美しかった。俺を救ってくれた一つ年上の少女。強く気高く、そして何より…美しい。大事なことだから二回言いました。
彼女は何をしているのだろう。彼女になら会いたい。会うなと言われても会いたい。別に彼女に恋愛感情を持ってるわけではない。ただ、恩を仇で返すのは好きではない。それだけだ。

「っと、もう時間だ。」

手早く制服に着替え玄関近くに置いといたニューロリンカーを首元に取り付ける。

(ニューロリンカー=脳と量子無線接続し、映像や音声など、あらゆる五感をサポートする携帯端末である。)

エレベーターを降りて今日から通う学校に向かう。

彼はまだ知らない。この日を境にもう一度自分があの世界に踏み込むことに……

彼の名は…赤龍帝『ウェルシュドラゴン』こと、有田 一誠
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