二十一話 二年前(メモリー)
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年した人だってたくさんいるらしい。
広翔も空を見上げる。
「考えるの早すぎだろ。まだ入学2日目だぜ?」
「そうだけどな。入学2日目に停学になる男になってみ? 」
貝木は苦笑を浮かべて言った。
「退学になったら軍に戻れば?」
広翔は酷くで笑った。
「冗談いうなよ。ガチで殺させるぜ?」
酷い笑いに疲れた顔で応える。
「どうかな。」
広翔はフッと笑った。
・・・・ニ年前の事を思い出す。
あの日の事を。
今でもよく覚えている。
俺は日本軍の一員だった。しかも最上級レベルの特攻部隊の一員でもあったのだ。
周りは全員大人で、誰とも話さず、ずっと孤独な日々を過ごしていた。
多分、きっかけが無かったらずっと孤独だっただろう。
・・・
・・・ある日のこと、貝木 智也という同い年の男の子が特攻部隊の空席補充としてメンバーに任命されてやって来る。
でも最初はあまり話さなかった、というか話せなかった。
だが次第に智也の突っかかりが多くなって来てだんだんと口数が増え、智也にだけ心を開いていった。
半年経ち、智也とはとてもいい親友になっていた。食事も寝るのもいつも一緒だった。そんな毎日が少しずつ変わっていた。
ある日突然のこと、ランペルジ帝国の攻撃がぷっつりと止んだ頃だった。
真夜中の1時が過ぎるころ。
急に広翔は起こされた。
「・・・い、 ・・・おい、」
目先には智也のにやけ顏がぼんやり見えた。
「・・・? なに?」
広翔は小声でそう応答する。
「・・・おい、ここから抜け出さないか?」
智也はギリギリ聞こえるくらいの小声でそう言った。
「・・・え? 何?」
急な言葉についそう言ってしまう。
「・・・抜け出すんだよ。 この軍から。」
智也は真面目な顔だった。
「・・・抜け出す? 無理だろ。 だって外は今だって警備されてるし、監視カメラだってある。」
周りは海に囲まれていて、陸は完全に軍の領地で囲まれている。逃走なんてできるはずがない。
「違う違う、海からいくんだよ。 泳いで。」
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