罪に寄り添う少年
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コルを自分の金から引き出しシーンに差し出す。
「お金は要らないよ。
こんな情報で商売したら死んだ人達が虚しいだけだ」
シーンは知ってる筈だ。
死んだプレイヤーの死亡原因は全て俺に責任が有ると
でもシーンは知らない振りをする。
理由は解らない。
でもそれが俺には有難い事だった。
「他に何か情報は有りますか?
出来れば明るい情報を」
「有るよ明るい情報。
先日、63層で隠しダンジョンが開放されたらしいのよ」
「隠しダンジョン?」
「何が理由で開放されたか不明だけど
中々、面白いダンジョンみたいで経験値を稼ぐ為に有るダンジョンみたいなの」
経験値を稼ぐ為に有るダンジョン?
聞いた事がないダンジョンだ。
開放理由が不明で先日、急に開放されたステージ
行ってみる価値は十分に有りそうだ。
「有難うシーンさん。
はい、情報料300コル」
「毎度、行くんなら周囲に気お付けて行くんだよ」
忠告に聞こえた。
命を狙われているんだから行くなと言っているように聞こえる。
でも、言わない。
言えないんだ。
「さて、俺は朝飯食ってから出かけるけど
キリトはどうする?」
俺の変わりに落ち込んでいるキリトに話し掛ける。
何時もキリトは俺の罪を自分の罪のように見る。
それが優しさなのか哀れみなのか解らないがお人好し過ぎる。
「あ、ああ。
俺も行くよ」
話は聞いていたようだ。
でも覇気が感じられない。
「あのなキリト。
俺の罪はお前に関係ないんだ。
だからお前が落ち込む必要性は皆無だ」
「解ってる」
キリトはその場から立ち上がり歩き出す。
部屋に戻りアイテムを補充するのだろうが今の状態でキリトと行動するのは危険と俺は考える。
「あの子、いい子だね」
立ち去っさ筈のシーンはキリトが立ち去った瞬間に現れる。
「確かに不真面目じゃないのは確かです。
でも、人の罪に割り込んで来るのがお節介としか言い様が有りません」
「あの子、変わってるからね」
変わってる。
俺から見たら変わりすぎだ。
人が困っていたら助けたくなる。
俺の罪を知りながら手を差し延べようとする。
それがキリトの悪い所だ。
「じゃ、俺は出かけます」
座ってい椅子を元に戻し歩き出す。
一旦、自分の部屋に戻りダンジョン攻略の準備に取り掛かる。
65層のダンジョンならアイテムも少なめでも問題ないと考えられるが新しく出現したエリアとなると準備も念入りに的確に完全に行う。
「さて、行きますか」
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