ユイと真実
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リトが俺に近付く。
「ライト、顔を上げろ」
「………」
俺が顔を上げると、
ドガッ!!
俺は殴られた。
「キリト君!?」
「キリト!?」
アスナとミザールは、キリトの突然の行動に、呆然としていた。
「………これでチャラにする。お前には幾度となく助けられたし、お前が言い出せなかったのもよくわかる。従って、殴るだけで済ませる」
「……キリト」
「ん」
キリトが手を差し出し、それをつかむと立ち上がる。
「それで、ユイ。お前はどうしたい?」
「え?」
突然会話を振られたユイはびっくりした。
「システムとか関係無い。自分で考える事が出来るなら、分かるだろ?」
「………私は………皆さんと一緒に居たいです。でも………もう、遅いんです」
「何でだよ……遅いって……」
それを聞くと、俺はユイの記憶が戻った原因がわかった。
「………ユイ、お前が座っているのは、GMがシステムに緊急アクセスするためのコンソール………なんだな?」
「その通りです、マスター………。アスナさんが私を安全地帯に退避させたとき、偶然石に触れ、そして記憶を取り戻しました」
「………つまり、あれはここにプレイヤーを近付かせないように設置されたもの………と言うことか」
ユイは頷き、先を語る。
「私はあの死神からマスターを守るため、システムにアクセスし、<オブジェクトイレイザー>を発動し、撃退しました。ですが、同時に今まで放置されていた私にカーディナルが注目してしまったと言うことでもあります。恐らく、私は消去されてしまうでしょう………」
「そんな………そんなの………」
「これが………俺が望んだ事なのかよ………」
「ライト!!」
キリトが俺に詰め寄る。だが、その前にユイが喋り出した。
「パパ、ママ、ねぇ、そしてマスター、ありがとう。これでお別れです」
「嫌!そんなの嫌よ!!」
「ユイちゃん……!!」
「さよなら、パパ、ママ、ねぇ、マスター」
「………んなこと、許容出来るかよ!!」
俺はキリトを押し退け、コンソールとウインドウを同期させ、キーボードを叩く。
「マスター………」
「………俺の前で娘を消させやしない。例えそれがAIでもだ!!」
徐々に姿が薄くなるユイ。だが、ライトはそれでも諦めなかった。
「カーディナル………てめぇの好きにはぁああああああ」
そして、最後のエンターキーを、
「させねぇええええええええ!!」
押した。否、殴り付けた。
すると、ユイの姿が再び見えるようになり、実体をちゃんと持ったユイが、そこにいた。
「マスター………何を馬鹿な事を………」
「あん?これが馬鹿なことか?」
ユイが姿を取り戻したのには、理由がある。
1つは、一部権限を俺からユイに譲渡した。これにより、ユイは俺と同じ扱いとなる。そしてもう1つは
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