暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0714話
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んなに歌舞伎役者として有名だったのか?」
「父親の早乙女乱造は歌舞伎役者としてかなりの有名人だもの。その息子ってことでアルトもそれなり以上に人気があったのよ。特に桜姫東文章で演じた桜姫は、今でも多くのファンを残しているわ」

 で、アルトの家が歌舞伎の家だった事を知らなかった……あるいは教えて貰えなかったランカは微妙にショックを受けたらしい。
 まぁ、ランカがアルトに抱いているのが好意か恋か愛かまでは分からないが、慕っていた相手の事を良く知らなかったってのがショックだったんだろう。
 他にも、映画の主人公役でもある工藤シン役の俳優が水中撮影は契約に入っていないと揉めたり、その代わりにアルトが水中撮影をやるからランカの出番を増やして欲しいと持ちかけたり、更にはマオ役の俳優が事故るといったアクシデントが重なり、監督もやる気を無くして今日は自由と決め込んで釣りに出掛けたらしい。

「何と言うか、呪われていないか?」
「ま、不運に不運が重なるってのは時々あるのよ」

 小さく肩を竦めるシェリルだが、上着を羽織っているとはいってもビキニの水着でそういう動作の大きい真似をすると胸がゆさっと揺れるんだが……本人にその気が無いと分かっていても、人によっては誘惑されてると感じるんじゃないのか? ただでさえシェリルは有名人なんだから。
 そんな風に思いつつ、シェリルが持ってきたカットフルーツの盛り合わせの中からパイナップルへと手を伸ばす。

「で、今はそのランカとアルトは?」
「ランカちゃんはジャングルの方に行って、アルトも水中撮影を代わったおかげで出番が増えたのを教えるって迎えに行ったわ」
「……いいのか? ランカはアルトの事情を知らなかったのがショックだったんだろう? なのに……」
「いいじゃない、それもランカちゃんが歌手としてやっていく上で糧になるのは事実よ。……それにほら、無事に戻って来たし」

 1口サイズに切られたバナナを口に含み、視線をジャングルの入り口へと向けるシェリル。その視線の先には、何故かランカを背負ったアルトの姿があった。
 柄にも無く心配しすぎたか。そんな風に思った時だった。
 ゾクリ。
 背筋に走る冷たい悪寒。その悪寒の正体が何なのかは、視界に入ってきた存在を見た瞬間に理解した。バジュラ。それも、10匹もの数がアイランド3の蒼穹の空を飛んでこっちへと向かって来ていたのだから。

「アルト、逃げろぉっ!」

 叫びつつ、何を言われたのか理解していないアルトをそのままに、軍服の内側からオズマに渡されていた銃を構え……この時になって、ようやく周囲に避難警報が流れ始める。

「ちょっと、何よこれ!」
「落ち着け! 護衛の依頼を受けている以上、お前は俺が守る!」

 いきなりの状況の変化に思わず叫び声
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