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銀河英雄伝説〜物騒な副官〜
07困惑と共に
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「クックッ……アッハッハッハッッッ〜いや〜今のは傑作でしたね〜。そうでしょう、ミュラー提督?」
「バ、バルツァー中将、確かにそうかもしれないでしょうが(←おい)言葉に出すのは如何なものかと…」
「事実でしょう?…これは、明日、一波乱ありそうですね。」
「……直接被害を被りそうな身としてはその予言は不吉すぎます……」
ミュラーが素面ではいられないというようにテーブルに残っていた酒を一息に飲んだ。その様子をニヤニヤしながらバルツァーは見る。
「ミュラー提督、あなたは確かザルではありませんでしたか?」
「嫌なことを思い出させないでくれ……」
「良いことだと思いますよ?酔っぱらって使い物にならなくなるどこかの方たちより。」
「一応、ありがとう。」
ミュラーがそのままワインのボトルを開けて飲み始めると、バルツァーもミュラーの隣に腰掛けると便乗して飲み始める。

「……ところで、キスリングが来るのは何時なんだい?」
「そうですね……そろそろ来ないと私はフェルナーに電話をかけざるを得なくなって大変面倒なんですが。」
「………………」
バルツァーの言葉にミュラーの酒をグラスに注ぐ手が止まった。
「…やはり本気なのか?」
「もとよりそのつもりですが。」
爽やか笑顔で言い切ったバルツァーに、ミュラーは本日何度目かの合掌を(心の中で)キスリングにした。
「そういえば、確かミュラー提督とキスリングは士官学校の同級生でいらっしゃったんですよね?」
突然話の内容が変わったことにミュラーは驚きつつも、漸く普通の会話に戻ったことにミュラーは安心感を覚えながら答える。
「ああ、その当時から仲良くやってるつもりだが…何故そんなことを?」
「いや、特に深い意味はありませんよ。ただ、トンクス大尉にホレた野郎をもっと詳しく知ろうと。」
ゆったりとソファーに身を預け、軽くワインの芳香を楽しみながら答えるバルツァーに、若干の疑問を持つ。
「卿の口振りからすると、並々ならぬ関心をトンクス大尉に抱いている様だね。」
「ええ、実に。彼女の思考と行動には非常に興味が湧くのですよ。」
「…彼女に対して特別な感情は湧かない、と?」
ミュラーの問いに、バルツァーはグラスを小気味のいい音をたててテーブルの上に置き、スッと目をミュラーの方に向けた。
「さあ、どうでしょうか?…ミュラー提督の仰る『特別』の意味とは同じであり、また違ってもいる…といったところでしょう。」
ミュラーは思わずその意味深な言葉に更に言葉を重ねそうになるが、バルツァーはそれを軽く手をあげることによって制した。
「まあ、どちらにしても、キスリングの行動次第でドーラの愛という名の感情の行方は決まるに相違ないですから。…ところで、大丈夫なんですよね?」
「は?………」
ミュラーが首を傾げると、飽
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