暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第10話 「星光の殲滅者」
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「いえいえお代官さまほどでは……」

 周囲の反応を見る限り、八神堂にとってプラスのものだったと思われる。
 ただ……アリシアとはやては何をこそこそと話しているのか気になる。ふたりの性格が性格だけに、良くない話をしているんじゃないだろうか。

「その代わり……」
「その代わり?」
「次の対戦相手には、タカマチナノハを入れていただきましょう」

 俺達の存在に気が付いていたのか、シュテルは振り返らずにこちらを指差した。
 対戦の指名を受けた高町が最初驚愕したものの、すぐにわくわくしているような素振りを見せ始めた。全国1位から指名される経験は大抵の人間ができないことであり、ブレイブデュエルを始めたばかりの彼女にとってはまだ見ぬ世界を見れるチャンスなのだから当然といえば当然だと言える。

「なのはちゃんを入れるって言い方からしてチーム戦ってことやな?」
「そのとおりです」
「ヴィータはリターンマッチしたいやろうから入れるとして、あとのメンバーはどないする?」
「そうですね……」

 シュテルは考える素振りをしながら視線を這わせる。高町達の近くに立っていたこともあって、俺も彼女と目が合ったのだが、すぐに視線を外されてしまった。
 これまでに何度も謝ったし、ランキング戦の埋め合わせはいつでもするとも伝えた。だがずっと今のような反応をされてしまう。全く話しかけないと「あなたの誠意はその程度なのですか?」といった目を向けられるのだが……シュテルは俺にどうしてほしいんだ?

「タカマチナノハの近くにいるふたりとあなたでどうでしょうか?」
「別に構わへんよ。そっちのチームはどないする?」
「ディアーチェとレヴィだけで構いません……と言いたいところですが、ちょうど暇にしている人物もいるようですし、彼を加えることにしましょう」

 どうやら両チームのメンバーが決まったようで、シュテル達がこちらへと足を運び始めた。ただ、俺はおそらく選ばれていないだろうから客席で観戦しようとその場を離れ始めると、すぐに呼び止める声が発せられた。

「どこに行くつもりですか?」

 声の主はシュテル。予想していなかった人物だけに俺は戸惑ってしまった。だが返事をしないわけにもいかないため、頭をフル回転させてどうにか言葉を紡ぐ。

「ど、どこって客席だけど……何か問題があるのか?」
「問題があるかないかで言えばあります。あなたはこちらのチームメンバーですから」

 あまりにもさらりと言われたために理解が遅れてしまった。
 いつの間に俺はシュテルと同じチームになったのだろう。いや、その前にこちらの意思を確認せずに決定するのはどうなのだろうか。
 というか……シュテルは俺のことを避けてるんじゃなかったのか。前から時々何を考えているのか
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