暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第10話 「星光の殲滅者」
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ああ、この程度では揺るがんな。我らが槍は無敵だ」

 ディアーチェが口を閉じるのとほぼ同時に、デバイスを構えていたシュテルの周囲から光弾が飛んで行き、ゲートの中心部を捉えた。

『屠れ、灼熱の尖角……』

 放たれた集束砲撃《ブラストファイア》は、一瞬にして全てのゲートを走り抜けた。
 あまりの威力に煙が立ち込めてターゲットが見えなくなっていたが、晴れていくと近くにヴィータの姿が見えた。ただターゲットを撃ち抜いた砲撃に巻き込まれたようで、衣服がボロボロになっている。少しの間の後、気絶してしまったのは言うまでもない。

「ダメやったか〜」
「一回の攻撃であんな威力なんて……」
「今のは誘導弾との合わせ技と言ったところだ」
「ビームの道を小さな穴で開けてドドーンって感じ!」

 レヴィの説明は擬音語があったりして分かりづらくもあるが、まあ今回は実際に光景を見ているので少女達も理解できただろう。

「一直線上に誘導弾を当てて……そこに直射砲を通す精密射撃」
「どれだけやればそんなことができんのよ……」
「それを軽く魅せるが我が槍、我が臣下!」
「人呼んで星光の殲滅者、シュテル・ザ・デストラクター!」

 凛と佇むシュテルの姿には、まさにデュエリストの頂点とも言える貫禄がある。ロケテストのときよりも格段に腕を上げていると窺えるほどに。今の彼女に勝つためには、俺の持てる全ての力と技を用いて挑むしかない。それでも勝てるかどうかは分からないのが現実だが。
 デュエルが終わって間もなく、ヴィータがシュテルに納得いかないと文句を言い始めた。それを見たはやては、すぐさま現場へと向かう。

「何だよ今の。卑怯だもっかいやれよ、このむっつりメガネ!」
「勝ちたければもう少し柔軟な思考を養ってきてください。私はイノシシを苛める趣味は持っていませんので」

 何を言っているかまでは分からないが、ヴィータの気に障るようなことを言っているのは長年の経験から理解できる。
 顔を真っ赤にさせたヴィータが動こうとした瞬間、はやてが彼女の頭を撫でながら話しかけた。実にナイスタイミングだ。

「まぁまぁヴィータ」
「は……はやて〜」
「はいはい、おしかったなぁ……どうやろシュテル、武士の情けや思ってリターンマッチのテイク2とか」
「動物愛護の精神によりお断りいたします」
「あたしをイノシシ扱いすんじゃねぇ!」

 あいつも年下相手に容赦がないな、と思っていると、アリシアがシュテル達の元へと飛んでいくのが見えた。もしかするとデュエルが予定よりも早く終わってしまったのかもしれない。アリシアと会話したシュテルはしばし考える素振りを見せ、返事をした。

「そういうことでしたら……仕方ありませんね」
「越後屋……おぬしもやりおるのぅ
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