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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第五十二話
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た理由を言っていくと、その最後に、カノンノの怒った声と、乾いた音…頬に痛みがした。

叩かれたのだ…カノンノに。






「衛司のバカ…バカバカバカっ!本当にバカっ!!私達が…私が、本当に衛司を拒絶するなんて思ってるのっ!?」


「カノンノ……」


「あの時、皆が言った『衛司を拒絶しない』って言葉を信じられないのっ!?私達は…私は…衛司が居なくなるなんて嫌だよっ!」


真っ直ぐと僕を見て、怒りながら…そして、瞳から涙を流しながらそう言葉を出していくカノンノ。
その姿に、様子に…僕は何も言えなくなる。


「それに、『自分は死んでる人間』なんて…そんな事、言わないでよっ!私の知ってる衛司は…私の大好きな衛司は…今だってちゃんと『生きてる』でしょっ!」


「っ……!」


「衛司…皆を…私を…信じてよ。…自分で『自分は死んでる』なんて…言わないでよ。私…そんな衛司…見たくないよ」


「……ごめん……っ」


怒りながら、泣きながら僕を真っ直ぐと見てそう言うカノンノ。
そのカノンノの言葉に、僕は涙を流して…そう、謝罪の言葉を出した。

カノンノはそんな僕に手を伸ばし、その手で僕の頬に触れると、真っ直ぐと僕を見たまま口を開いた。


「…衛司…この事…ちゃんとメリアや皆に話して上げてね。きっと…皆、アナタを受け入れてくれるから」



「…うん…ごめん…」



「……いいよ。……それにね、衛司…。もし…皆が受け入れてくれなかったとしても……――」


「え……――」



カノンノの言葉に頷いていると、そうカノンノが言い僕を真っ直ぐと見たまま顔を近付け……僕の唇に口付けをした。




突然の事に驚く僕に、カノンノは少しして触れていた唇を離すと、頬を赤く染めて言葉を出した。


「――…もし、皆が衛司を受け入れてくれなかったとしても……私はずっと…ずっとずっと、衛司を受け入れてあげるから」




「っ……ごめん……あり、がとう……っ!」



「…いいんだよ。衛司が私を支えてくれたみたいに…私も…衛司を支えたいから…」


「…ありがとう…ありがとう…っ!」



カノンノの言葉に、僕は再び涙が溢れ出す。そんな僕に、カノンノは僕を慰めるように、僕を抱き締めて優しく頭を撫でてそう言った。
いつもカノンノやメリアに、僕がやっていた事だけど……二人もきっと、こんな気持ちだったんだろう。


カノンノの優しさと想いに……僕は抱き締められたまま、涙を流したまま、心から感謝の言葉を出していた…。





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