例えばこんなガチバトルは流出させられない
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が封入され、一つでも受け損なえばその瞬間敗北が決まるほどの気迫で振るわれている。
2人とも純粋な剣士ではないが、それでも彼女たちの最も信頼する武器はどこまでいっても剣だった。――ただ、剣を活かす方法が純粋な剣術ではなかっただけだ。
予測、全力、立て直し、既に平均的なISの剣劇速度を超過した激突はアリーナをゆるがし、衝撃は大地をめくりあげ、激突の度に発生する膨大な衝撃波が大気を伝わってあらゆる電子機器や物質を破壊してゆく。幾度も幾度も繰り返される剣の激突――先にその結末を察したのはジェーンだった。
「グぅ・・・ウウ!?」
獣のように叫ぶばかりだったジェーンの瞳に僅かな理性が戻る。剣劇を繰り広げるうちにその異常に気付けたのは、戦士としての誇りゆえか。――剣に掛かる圧が、段々と増している。いや、それだけではない。彼女の顔すら照らす光が、自分の掲げた剣の前から溢れ出ていた。
『ゴエモンは私のパートナーなの・・・ゴエモンと一緒にいて、一緒に笑って、一緒に喜んでぇ・・・・・・!!』
――オウカだ。桜花の体が発光している。桜吹雪がオウカの体に吸い込まれるように集まり、粒子が圧縮されていく。もはやゴエモンも含めてすべての装甲板が、パーツが、その桜色の閃光そのものであるかのように輝いていた。何所か安心が心へ直接伝わるような、暖かくも力強い煌めき。
そこから伝播するのはエネルギーだけではない。意志が、オウカの意志が真正面から圧力になり、まるでその空間すべてがオウカの意志を持っているかのように獣を圧倒する。奪われていた威勢が押し返されていた。
その気迫を言い表す言葉があるとしたら、それは――
『だから、そんな怖い顔してゴエモンを困らせるのは・・・・・・ぜっっったい!ダメなんだからぁぁぁぁぁーーーーッ!!!』
――迸るISのエネルギーが爆発した。スライサーの刃がギャリギャリと不快な異音を立てて散華に押される。押される。押し込まれる。
ISの放つエネルギーにはそのすべてに精神感応性質が付加される。今やオウカの纏う粒子はそれそのものがオウカの意志として動く。かき集められた膨大なエネルギーはもはやシールドバリアにも匹敵する鎧となって身を包み、刃に集まる力は純粋な破壊力として馬力や質量からはじき出される値を超越していた。
既に散華が纏うのはエネルギーの。桜の滝。人の抗うことが出来ない脅威の壁が、大きく、重く、その刀身の100倍近い範囲にエネルギーを放出し、S.A.最強の尖兵を退けんとした。その想いは強く、儚く、そして可憐で苛烈。息を呑むほどの美しさに込められたそれは、地を割り海を裂いてなお有り余る、人の手の届かざる領域へ。
――桜花幻影終極奥義 三春滝桜――
これはまるで巨人の一刀だ
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