第六章
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く。
「そう言われてきましたので」
「そうだったのですか」
「ですから。何があっても」
また言う祥子だった。
「私は守ります。お父様の御言葉を」
「そして誇りをですね」
「そうです。何があっても」
「よい御心です」
伊藤は祥子のその言葉を聞いて微笑んでい頷いて言った。
「そこまでの覚悟がおありとは」
「私はただ」
「ですが滅多に持てるものではありません」
「覚悟をですか?」
「そうです。俗にはよく言われることです」
この時代ではそうであった。女もそれだけの覚悟を持てと。しかしそれを実際にここまで覚悟して生きているのは彼が見たのは祥子がはじめてだったのだ。それで感銘を受けない筈がなかった。
「ですが。現実には」
「そうだったのですか」
「貴女は立派な方です」
こうまで言った。
「そこまでの心を持っておられるとは」
「有り難うございます」
「この洋館におられるのですね」
「はい」
伊藤の言葉に頷いてきた。
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