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良縁
第四章
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そのうえでまた伊藤に対して話す。
「そうだ、それだ」
「相手を見つけることもなのですね」
「何事も積極先取だ」
 海軍のモットーの一つだ。
「だからだ。いいな」
「わかりました。それでは」
 この場では毅然として応えることができた。しかしこればかりは相手がいてのことだ。しかも海軍将校である。その辺りの相手というわけにもいかない。忙しい身の上もありこのことに関してはお世辞にも進んでいるとは言えなかった。そんな中でのことでのある日のことだった。

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