No2 帰郷
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レッドの家____
「バリバリ〜〜」
「ありがとうねバリヤードちゃん、本当に助かるわ」
ベランダで洗濯物を干しているのは38歳となったレッドの母、そして、レッドが捕まえたバリヤードだった。
レッドがいない間、レッドの母はバリヤードと共に過ごしていた。
「バリ〜」
「さて、干すのも終わったわね」
レッドの母はふぅ、と溜め息を吐き、昼食の準備に取りかかった。
バリヤードも、食器の用意も手伝う。材料はニンジンタマネギ……間違いなくカレーだとバリヤードは推測した。
ピンポ〜〜ン
レッドの家のインターホンが突然鳴りだした。レッドの母はすぐに玄関に向かう。
レッドの家に訪問者が来るのは稀だ。 一体、誰だろう………レッドの母はそう思いながらドアを開けた。
「母さん……ただいま」
「………レッド?」
赤い帽子、ボロボロなカバンにランニングシューズ、そう、レッドが帰ってきたのだ。
「本当に……レッド……?」
5年ぶりの親子の再開……。レッドは母の年齢の変化を、母はレッドの成長を、ただただ眺めていた。
それ以前に、レッドの母は驚きで言葉が出なかった。何しろ5年間、一度も帰って来なかった子供が、帰って来たのだから。
また驚きを隠せないのは母だけでなく、バリヤードも同様であった。
だが
「母さん……俺………」
バシィッッ!!
「っ……た……!?」
感動の再開らしからぬ、母はレッドの頬を思いきり叩いた。温厚な母からは想像もつかないほどの一撃(ビンタ)、遠くから見ていたバリヤードも恐怖を覚えるほどだった。
「母さん………」
「ふざけないで!!」
「!?」
母は激昂し怒鳴る。更に続けた。
「5年も待たせておいて! 急に帰って来るなんて! お母さんがどれだけ心配したかわかってるの!!」
「(5年……マジか、俺は18歳……)」
「あなたが死亡したなんてニュースが毎日報道されて……母さんがどれだけ心配したか……」
母は、怒鳴りながらも、瞳に涙を浮かべていた。
レッドと再開出来たことの感動なんかではない。レッドが死亡したというデマを聞いた時のことを思い出して泣いているのだ。
「母さん……」
「レッド、あなたが生きてることを知って、私はとても嬉しい」
「……」
「でも、もういいわ、あなたはもう18歳、あと2年したら成人よね?」
「う、うん……」
「……決めた。あなた、恋人を作りなさい。チャンピオンになる旅が終わったなら、次は恋人を作る旅よ」
「え………ええええええ!!!?」
レッドも、バリヤードも絶句した。とんでもない発言だ。レッドに彼女を作れとはこれいかに。
チャンピオン同然のレッドは確かにモテやすいだろう。だがモテ
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