EPISODE43 生徒会長‐サラシキタテナシ‐
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照り付ける夏の太陽。普通なら最高気温を記録している今日でもこのIS学園には特殊な防衛シールドが張り巡らされているためその日差しも少し柔らかいものになっている。改装工事の終了した第六アリーナで通常では聞こえないであろうタイヤの高速回転する音が場内に響く。駆け抜けるのは蒼い軌跡。そしてそれを追うように放たれるのはレール砲でも使用されるプラズマ弾。訓練の為日殺傷設定が設けられているにしてもその威力は喰らえばタダでは済まない。
表示されているホロウィンドウに一瞬視線を動かす。エネルギー残量、残り時間、相手の軌道予測、そして武装のコンディション・・・・すべて問題ないことを一瞬の内に脳に叩き込み織斑一夏は左腕の砲門を蒼い機体向けて放つ。しかし、当らない。不思議なまでに当らない。ここからはちゃんと直撃しているように見えるのに機体が教えてくる結果は外れ、というなんとも矛盾している結果だ。
わかっている。これは彼奴の動きが少なすぎるからだ。
回避するなら左へ右へと躰をそらすなりするはず。速くて弾丸が後方にそれているならまだわかる。シールドに守られているなら弾かれた時に四散する光景で理解できる。しかし今自分に見えているのは当っているのにもかかわらずダメージどころか被弾すらしておらず、今も悠々と地面を駆ける機体。さすがわ姉に?亡霊のよう?とまで言わしめただけのことはある。一夏はそれを見てますます絶対に敵に回したくないと思う。
「でも、だからってこのままじゃ埒が明かない・・・・なら!」
愛刀を展開して接近する。スペックでは速さだけなら追いつけるはずと一夏は全速力で追いすがる。やがて隣に並ぶと僅かに瞬間加速を使って回り込み相手の視界、正面に急に入り込むことに成功する。急制動をかけたため相手は一瞬硬直する間を見せ、それをチャンスだと雪片弐型を振り下ろす。しかしそれは躰を僅かにそらすという形で回避され、カウンターに腰にマウントされている剣を逆手で握って抜き放ってくる。それをもう一度瞬間加速を使うことで回避し、今度は相手の背後に回る。
「もらった!」
『させない!』
腰のアタッチメントが此方を向き、何かを射出してくる。先端に刃が備わり、ブースターの追加されたその刃は機体の脇を掠め、再び繋がれたワイヤーに引っ張られれ収まる。相手が振り返る。その手には――――ライフルが。
「ッ、」
とっさの判断で急上昇。事なきを得て背中に伝わる冷や汗で不快感を覚える。その時、通信が開いた。
《さっきの攻撃、なかなかよかったよ。ヒヤッとした》
「また一本取れなかった・・・・」
《いや、一本だ》
そう言って相手が、ライがデータを送ってくる。そこには白式とランスロット・クラブTのエネルギー残量が表
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