EPISODE43 生徒会長‐サラシキタテナシ‐
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示されていた。
《おめでとう一夏。今日が初の白星だ》
ライの声で、雄叫びを上げた一夏だった。
◇
いずれ絶対に話す。だから、今はごめん。
そう言われて最初は腹がった。また自分だけ蚊帳の外かと激憤しそうになったがそう言うライの顔をみて心を落ち着かせることができた。どこか悲しそうな、辛い表情。笑顔をうかべてはいるがそれも本物ではないと一夏は確信していた。話せないという事を無理に話させようとするほど、一夏も馬鹿ではない。理由がある。そう考えたら意外にもすんなりと納得できたことに一夏はやりきれないもやもやとしたものを抱きつつ、ライとの訓練にいそしんでいた。
8月の末。少し遅いか早いかは知らないが、たぶん早い方にはいるであろう夏休みも終わり二学期が始まった。早朝での訓練を終えた二人はシャワーで汗を洗い流し、制服に着替えてアリーナを出る。
「二重瞬間加速(ダブルイグニッションブースト)、だいぶモノになってきたね」
「ああ。手ごたえもたしかに感じる。これもライのおかげだな」
「そんなことないさ。それは君が自分で編み出した物で僕はそれを手伝っただけにすぎない」
「それでも、だよ。感謝してる」
「・・・・ありがとう」
教室へと続く道を歩きながらそんな会話をする。すると、ライは目の前に見知った背中を見つけて声をかけた。
「簪、おはよう」
「お、おはよう、ライ・・・・、」
と、なぜかこちらを見た瞬間目つきを鋭くする簪。なかなか会えなくてどうしているかと気になっていたが、これは予想以上になにか御立腹のようだ。そういえば長らく機体作成を手伝えてないなと思いだし、そのことについて話そうと口を開きかける。
「ライ、また今度」
そう言って簪は走り出してしまった。いったい何だったのだろうかと彼女の視線の先をよく思い返してみると一夏を見ていたことを思い出す。彼になにかあるのだろうか?そう思考するもまるで接点がないことに至り考えるのをやめる。では、あの鋭い視線の意味は・・・・?
簪に別れを告げ、教室へと入る。みんないつも通り、とはいかないものが数名いるが、それでもいつもの光景にライは内心ほっと息をつく。
「おはよう、ライ」
「おはよう。えっと・・・・?デュノアさん?」
「水臭いなぁ、シャルロットでいいよ」
「私も、モニカでかまいません」
「うん。それじゃ、シャルロット、モニカ。おはよう」
「おはようございます、ライさん」
やぱりか、とセシリアはその一連をみて思う。以前から何かおかしいとは思っていたがこれで納得がいった。あの時以来彼の中で何かが起きている
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