EPISODE42 涙
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だけは溜まったものを吐き出してもいいんですよ?」
「・・・・でも」
「もう・・・・男の子なんだから、女性にここまでさせておいて甘えないのもナンセンスですよ」
「そういうものでしょうか」
「そういうものです。さぁ・・・・いらっしゃい。その代り、明日からはまたいつもの貴方に戻ってください。もしも辛くなった時は、いつでも私が受け止めてあげます。なんて言っても、私は貴方の先生ですから」
胸を張る真耶。その姿がおかしくて、とても大きく見えて。頼りになる先生だと思いつつ、ライはその温かさに浸る。
暫しの間、布の擦れあう音が部屋に響いた。
◇
随分とやってくれたわね、と声が一つ。暗い部屋の中、灯りのないその空間からは眼下で輝く夜景が美しく見える。まるで夜空の星をそのまま散りばめたような美しい光たちは手にしているワイングラスの中で反転しゆらゆらと揺れている。
「勝手なことはしないでと言ったはずなのに、全くヴィクトリアには困ったものね。そうは思わない?・・・・M(エム)」
Mと呼ばれた少女が暗闇の中から静かに現れる。顔はバイザーで隠れておりその素顔は見ることはできないが、それでも後ろでニヤリと笑ったのがガラス越しに見えた。とても狂気に満ちて、そして素敵な笑顔だと評価する。
「始末するか?」
「いいえ。彼女も一応は私たちの同志よ。貴重な戦力を失うわけにはいかないわ」
「そうか?私は嫌いだ。クサいし、なんだか感に障る」
それもそうねとクスクスと笑う。だが、それでも彼女はいい仕事をしたと同時に評価をしてやるのも忘れない。
「蒼月ライ・・・・貴方は私たちのモノ・・・・いずれまた戴きにいくわ。それまでは、しばらくのお別れね・・・・」
手に持ったダーツの矢を見向きもせず、そのままの姿勢で放る。まっすぐにど真ん中を射抜いたその的にはライの写真が貼ってあった。
「これからが楽しみね・・・・フフフ」
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