EPISODE39 明日もし君が壊れても
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イベート通信で語りかけてくるシャルロットの姿に安堵する。どうやら怪我はないらしい。
〔なんだいったい、急に起こされてこっちはいい迷惑だ〕
C.C.の愚痴を軽く流し、ライは目の前の相手を見る。
「久しぶりねシャルロット。元気してたかしら?」
その声に一切の慈しみや自愛の意はない。あるのは純粋な殺意のみ。この手の相手は性質が悪いと本能が告げている。
「お母さん寂しかったのよ?連絡もよこさないで、お父さんはずっと帰ってこない。おまけにモニカも連絡つかないし」
『だから直接来た、と?』
「あら、貴方が噂の二人目の子ね?いつも娘がお世話になっています」
そんなこと考えてないくせに、と心の中で呟く。
「そんなこと考えていないくせに、だなんて・・・・いけない子ね」
にやりと口角を歪めるその顔に戦慄する。
血走った右目、特徴的な紋様。そして、この寒気と狂気。この禍々しさを、ライは誰よりも知っていた。
〔そんな・・・・バカな・・・・!?〕
C.C.も自分同様に戦慄する。この女がいったいどこで手に入れたのかは知らない。だが知らなければならないことだということだけははっきりしている。そして、彼女が誰なのかも。
「ああ、そういえば挨拶がまだだったわね。――――初めまして。シャルロットの母、ヴィクトリア・デュノアと申します。・・・・蒼月ライ君?」
情報があるわけではない。だとしたらまた心を読まれた。
「あら凄い、この状況でももう48通りの戦略を練ってるなんて。ますます欲しい逸材だわぁ・・・・」
〔不味いぞ、この状況でこの相手。分が悪すぎる〕
毒づくC.C.。彼女はこの能力に対して知識はあるらしい。口調からすると、どうやらかなり厄介な相手とみてやはり間違いないようだ。
「そうね、そう。だから私は貴方を貰うわ。でもまずは――――」
直後、銃声が鳴り響いた。乾いた音が、屋上に木霊して横にいた少女が後ろに吹き飛ばされる。赤い飛沫が舞い、何があったのかを知らせる。
「目障りなガキには死んでもらわないとネ」
『シャルロットぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!』
金髪を結んでいたリボンが、宙を舞った。
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