EPISODE35 失くしたモノ†失くしたくないモノ
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は危険かと思われたが、相手の赤く光る無数の目が自分を向いているのに気づく。
「狙いは僕か!?」
「そんなまさか…!」
彼がここにいることは自分と一組担任の二人、そしてチェルシー含めた数人の信頼できる人間しかいないはず。なのに居場所が割れ、ピンポイントでこの国の、ここを突き止めてきたということはそれはすなわち内部の犯行という可能性がかなり高い。身内を疑いたくないがこうまではっきりと表れてしまっては認めざるをえないとセシリアは唇をかみしめる。
だが、今はそんなことに思考を裂いている時間はない。セシリアはビットのみを部分展開しゴーレムをけん制する。
「ライさん、今のうちに!」
逃げるよう促し、自分も走る。こういう時自分の服装と趣味が心底悔やむもそれも今は後回し。とりあえず追ってくるならせめて戦闘できる場所まで誘い出さないといけない。路地を曲がり、裏手を抜け、やがて何もない場所に出る。建物の密集したその場所ではすでに人の気配はなくハイパーセンサの情報を見れば避難完了の文字が。流石はイギリスの警察は優秀だと誇らしく思い足を止めて機体を展開し空へと上がる。隣で並ぶクラブをちらりと見て互いに頷く。二人の間を太い閃光が瞬き、巨体が駆け抜けた。しばらく上昇、やがて急降下する先にはやはりクラブの姿が。やらせまいと回り込みライフルを連射モードで撃ち、クラブが剣を手に接近する。セシリアの援護にライの近接。相性は抜群だった。
そう、僚機との相性、は。しかしながら敵は見たこともないような動きでそれらを躱し再び攻めてくる。舌打ちをして回避の為上昇とロックさせないための錐もみをする。後方をセンサで見るライは違和感を覚えた。
この変則的な動き、相手の後ろにぴったりと張り付いて常にピンポイントで撃ってくるこのパターンは・・・・
[こちらの動きが読まれている!?]
『いや違う。あれは・・・・僕だ』
[まさかコピーしたとでもいうのか。おまえの動きをこうも完ぺきに]
『見る限りでは、ね。でも、それもただのコピーじゃなさそうだ』
すぐさま相手の分析結果をはじき出す。機体に埋め込まれているのは疑似能力、つまりは機体の単一能力によってこちらの動きが完全に再現され、一定期間のみでできるものらしい。
だが妙だ。これだけ手の込んだものを何故こうも容易く“データ収集させたんだ?”
ほのかな疑問。それがどんどん大きくなっていき――――
『ちょうどいい、アビリティを使う。サポート頼む』
[あ、ああ]
おかしい。何かが違う。何かが自分の知らないところで蠢いている。操作しながら、彼女は思考を巡らせ――――至った。気づいた時には、既に遅かったが。
出さ
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