EPISODE34 血の繋がり
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「ライさんは心配性ですわね」
「それは心配にもなるさ。だってセシリアは僕にとって――――」
「とって・・・・・?」
「・・・・大切な友達だから」
周囲から擬音で表したらズコーッ、という音で表せそうな見事なズッコゲを披露しているクラスメイト達の姿があった。最近はああいうのが流行っているのかと聞くと「ライさんてば、最近一夏さんに毒されてきましたわね」とため息をつかれたので首を傾げる。
「・・・・と、話が逸れましたわね。この件はこの場でお話しできるようなことではないので、できればライさんには私の祖国に来ていただきたいのですが・・・・」
「それは危険じゃないか?」
「それに関しては私の信頼できる護衛や施設、人材をそろえておりますのでライさんの身元と快適な旅は絶対的に保障いたしますわ」
セシリアがこうまで言い切ったということは信頼していいのだろう。ならば、自分に断る理由はないと首を縦に振ることで了承の意を示す。パスポート等は心配無用とのことで此方は私服などの必要最低限な荷物を用意し、二人の担任に許可を得る。他のメンバーには秘密にし、その日の明け方にセシリアと共に彼女の祖国イギリスへと旅立った。
◇
そして、現在。飛行機を降り、迎えに来ていたリムジンに乗り込む。流石は財閥のトップで名門貴族の出だ。何もかも現実離れしていて実感がわかないでいると正面に座っているセシリアが口を抑えてクスクスと笑いだした。
「申し訳ありません。ただ、ライさんの反応が新鮮過ぎてつい・・・・」
「いけませんよお嬢様。ライ様はこういうのは初めてですし、そのリアクションは当然のものですよ」
「それフォローになってないですよねチェルシーさん」
「あら、そうでしたか?それは大変申し訳ありませんでした」
この人、絶対サディスティックだとセシリアの専属メイドであり幼少のころからの友人でもあるチェルシーの印象を自分の中で固める。これで大方この人のことはあっていると思ってしまうあたりこの人には隠し事はあまりできなさそうだと同時に敵に回したくないタイプだと位置づける。
「さ、着きましたよ」
窓の外には広大な敷地の中に存在する銀と青に塗られた建物が存在していた。オルコットが所有するIS工場であり、研究機関でもある。ここでブルーティアーズが開発されたのだと、セシリアは言っていた。
リムジンを降りて今度は徒歩で施設内へと歩いていく。風景は一言で表すなら自然と調和した近代建造物。シンプルに何にもないような草原にポツンと存在するそれはとても不思議な感じだ。
[ほう、これはこれは大層な建物だな。女狐にしてはなかなかどうして――――]
《こ
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