EPISODE33 帰還
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女だ。
[あれが今のおまえの友人たちか]
[ああ。みんな心優しい子達だ]
[・・・・おまえ、記憶はどれくらい戻っている?]
[ちょっとだけ、かな。凄くちぐはぐで曖昧なんだ。思い出せるのはきみとギアスの使い方くらいで変わらないよ]
そうか、とC.C.がため息をつく。プログラム体の彼女の姿はライ以外見ることも触れることもできない。機体を展開していない現在の彼女は元の身長であろう姿に戻っており隣に足をぶらぶらさせながら座っている。
[いいものだな。おまえの友人たちは]
[ああ。僕にはもったいないくらいのね]
織斑一夏。篠ノ乃箒。凰鈴音。シャルロット・デュノア。モニカ・クルシェフスキー。ラウラ・ボーデヴィッヒ。一人一人を眺めながら、その姿を目に焼き付けていく。これが、いまある世界だと、いまいる世界だと思いながら。
「…なんだか、いい顔してますね。ライ君」
「いい顔?」
「なんというか・・・・そう、人間って感じです。そうやって笑った方がなんだか似合ってますよ」
それを聞いて自分のなかで何かに気づく。
ああ、まだ笑えたのか。僕は・・・・
◇
そうして、長いようで思い返せば短かったような気もする臨海学校は幕を閉じた。荷造りをしてバスへと荷物を積み込み席へと向かう。帰りのバスは席順等決められてはいないので一番後ろの席へと座る。
「ライさん、隣よろしくて?」
「セシリア。どうぞ」
「失礼しますわ」
隣にセシリアが腰掛ける。そしてその隣に箒、一夏、シャルロット、モニカ、ラウラの順で座っていく。いつもの一組仲良しメンバーだ。鈴がいないことを残念に思いながらこの三日間のあれやこれやに花を咲かせる。この光景を誇らしく思いながらふと窓が叩かれた。気になって外を見る。金髪の黒いスーツに身を包んだ見覚えのない女性だ。
[ナターシャ・ファイルス。銀の福音のパイロットだ]
なるほど、と納得して窓を開ける。
「あなたが“あの子”と私を助けてくれたのね?」
「あ、いや、えっと、まあ、はい」
「そう。もう一人のナイトさんはいるかしら?」
多分一夏のことだろうと名前を呼ぶ。同じく顔をだし彼女のことを説明する。
「この前はありがとう。おかげで助かったわ」
「いえ、そんな・・・・」
紅くなる一夏。それをみて面白くないと頬を膨らませる者が数名。そんなことはいざ知らずに一夏はナターシャの美しさに鼻の下を伸ばす。といっても、実際に伸ばしているのではなくあくまでも表現だが。
「これはお礼よ。ありがとう、二人のナイトさん」
そう言って、頬に
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