EPISODE30 ライ−liar−
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ならあとでいくらでも聞く。それより、」
?せっかちな坊やだ。だが行く前にまずは襖の向こうで聞き耳を立てている小娘のことをどうにかした方がいいぞ?
C.C.に言われて襖に手をかけ、開く。するとそこには緑色のショートカットに眼鏡の山田真耶が立っていた。どうやら自分の容体を見に来たらしい。話を聞かれたかと思ったがそうでもなさそうであたふたしながらも自分を押し倒さんとするばかりの力で部屋の奥へと追いやる彼女に抵抗しようと踏ん張る。
「どいてください先生。僕はいかないといけない」
「ダメです。ライ君まで命令違反して怪我するなんて認められません!ここにいてください、すぐに教員部隊が鎮圧に――――」
「それじゃ間に合わない。今でもみんな満身創痍で戦ってる。このままじゃ皆が死んでしまう!お願いです先生、どいてください!」
それでもなお食い下がる真耶。気持ちはわかる。気遣ってくれているのも、教師として生徒を危険なめに合わせたくないのも。彼女は優しい。でも、その優しさは今は障害となる。だから――――
「・・・・わかりました。僕はここにいます」
「ライ君・・・・わかってくれた――――」
「だから、あなたは司令室に戻ってください。僕はここで休んでいる。動いていない。・・・・いいですね?」
「・・・・はい。では、失礼します」
抑揚のない声で立ち去る真耶の背中を襖で遮られるまで見送る。また、嘘をついた。
?ほう、ギアスまで取り戻しているとはな。記憶の方はかなり戻ってきているのか??
「思い出せたのは君とこの力だけさ。どんな関係だったか、どんなものだったかはまるで覚えていない。だが、使い方だけは思い出せた。それだけさ」
淡々というライにC.C.は小さく笑う。縁側から外にでて、機体を呼び出す。光の粒子が散り、身体にまとわりついて再構成される。
?武装各部確認終了。新ユニット動作確認。腕部ユニット輻射波動機構・・・・展開以上なし。背部エナジーウィング、正常稼働。システムオールクリア。ランロットクラブ“トランプル”。起動確認終了?
ハイパーセンサが稼働し瞳に明かりがともり、世界が見渡せるようになる。背中の二対の翼が広がり、身体が重力から解放され浮かぶ。次の瞬間には青い光の粒子を散らしながら空へと舞いあがっていた。躰にかかるGの負荷に歯を食いしばると遥か前方を見据える。
なにがどうなるかはわからない。勝てるかどうかなんて知ったことではない。
肝心なのは生き残ること。誰一人としてかけることなくもう一度ここへと戻ること。それが最終目的だと自身に言い聞かせ、
蒼き騎士は、空を駆けた。
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