EPISODE29 臨海点突破!?
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
無も言わせず電話を切られてしまった。あまりにも強引すぎる振る舞いにため息を一つつく。その後迎えに来た箒に束が来ると言うことを伝えると表情を一瞬強張らせたあとすぐに肩を落とした。なぜかはわからないがどうやら妹ながら姉の凶暴性はよく理解しているようだ。
そんな経緯があってからライは正直乗り気ではない。楽しみではあるが不安要素がいくつかある。まずは自分との関係だ。あの天才篠ノ之束との関係を問われれば騒ぎになりかねない。もう一つはあのハイテンション兎がタダでこのような姿を晒すマネをするわけがない。となればそれ相応の危険を冒してでもこちらに来るだけの理由があるということ。そしてあの箒の顔――――これらが意味するのはなんなのか。ライは未だ冷めやらぬ一夏の姿越しに流れゆく景色をぼんやりと眺めながら考える。
これは大変なことになりそうだ・・・・。そう呟いてからライは目を閉じた。
◇
しばらくして今回宿泊する旅館に到着し荷物をもって敷居を潜る。外観はかなり風情はあるが中を見れば最新式のセキュリティと施設の数々がお出迎え。しかしそれが主張するわけではなく文字通りそっと見守る感じに所せましとある。さすがは学園御用達の宿泊施設だ、これほどセキュリティのしっかりしている施設は学園を置いて軍隊くらいにしかお目にかかることはできないだろう。世界でも限られた数しか存在しないISだ、それを専門に扱い、尚且つ専用機を持っている生徒や機密保持等の理由もある、これくらいは当然かとライは部屋へと案内される。割り振りは男子が三人という奇数の為多少の揉めはあったが結局一夏が千冬と、ライが真耶と、そしてシャルロットがまだ男装している為護衛役のモニカと一緒という結果に落ち着いた。自分と一夏は女生徒対策、シャルロットは秘密がバレることを防ぐ為にモニカが一緒となる。怪訝そうな顔をするかと思った千冬だがこれをあっさりと承認したことに多分気づいているのではないかと思うがそれを言葉にしない辺り彼女の気遣いは痛み入る。
部屋は広く学園の寮並みとまではいかないがそれなりに広さはある。畳の作りで旅館という名が示す通り全てにおいて和の空気感が心地よい。障子と窓を開け放てばそこは白と青が織りなすコントラストが広がる海岸。所謂オーシャンビューというやつだ。
「景色も雰囲気もいいでしょう?」
自慢げに胸を張るのは真耶、実は織斑先生の部屋よりもいいんですよと彼女は人差し指を唇に当て悪戯げに笑む。その姿は非情にかわいらしい。そうですねと答えると隣に来て窓から入る潮風に当たる。ショートカットに切りそろえられた翡翠の髪がふわりと揺れ香しい香りが鼻を抜ける。指で髪をたくしあげる姿に大人の女性の色っぽさを感じてライは視線を逸らす。彼女に以外な一面が見れたことにちょっとした
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ