EPISODE26 call my name
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・なら、僕と友達になってくれないか?」
その回答にラウラは意外そうな顔を、織斑先生と山田先生は小さく笑みを浮かべて黙って話を聞いている。
「・・・・私で、いいのか?」
「もちろん」
「・・・・だが、どうしたらいいのか・・・・」
「簡単だよ。名前を呼んで。おまえとか、そういうんじゃなくてちゃんとした名前で」
名前・・・・。そう呟いてラウラは戸惑う。彼女にとって初めての経験ということだろうか。
かくいう僕も初めてのことだ。自分から友達になってほしいというのがこれほど照れくさいとは初めて知ったほどに。
「蒼月ライ。ライでいいよ」
「ラ…ラ、イ・・・・?」
「うん」
「ライ・・・・?」
「はい」
「・・・・ライ。私は・・・・」
「ごめんなさいとか、すまないとかはもうなし。謝罪はもう十分に受け取ったし、罰もちゃんとしたしね。これでチャラ。あとは一夏よみんなにも同じようにすること。僕も一緒についているから、ちゃんとみんなに会って、ごめんなさいって、ちゃんと言うおう。あとのことは、全部それからだ。いいね?」
僕の言葉にラウラが頷く。それを見て、織斑先生が口を開いた。
「・・・・さて、ことも済んだとこでさっそく本題に入るぞ」
空気が、一気に重くなった。
◇
時間にして、どれくらい経っただろうか。話している間、僕とラウラの声以外には時計の音のみが部屋に響いていた。それがやけに大きく聞こえ、不気味な感覚にさいなまれるほどにこの空間に流れるものは重く耐えがたいものだった。
「・・・・なんともまあ、ぶっ飛んだ話だな」
そこでようやく織斑先生が呟いたことで空気が少しながら軽くなる。説明し終えたラウラと僕は少し疲れてため息を、山田先生は何か思いつめたように目線を少し下げている。
「ボーデヴィッヒさんがライ君と・・・・その・・・・兄妹だったなんて・・・・」
「私以外にも、所属の小隊…シュヴァルツェハーゼの隊員全員が実験に関わっている。記憶に関してはなんらかの処理が施されているらしくまるで覚えていない。・・・・記憶を書き換えられたかのように、な」
記憶を書き換えられた、そのことに関しては僕にも覚えはある。計画の根本にかかわる最重要機密。―――――“ギアス”。
これがどういうものなのかは僕にもよくわからない。ただ、僕の中にずっとあるものであり、その力は恐ろしいものであるということだけははっきりとわかる。
絶対遵守。僕の命令を肉声で聞いた人間に対して従わせることのできるその力の一旦はすで
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