EPISODE22 折紙
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「ライ!」
「ッ!、どうした?」
「いくら呼びかけても返事がなかったからだ。どうかしたのか?」
「いや・・・・少し考え事だ。ごめん」
今の感じ・・・・たしかに前の時と同じだ。でもこれは比較的新しい、つまり最近のもの。妹がいたような感じは前からあった。でもこの不一致はなんだ?それとも、妹が二人いたということなのか?
問い詰めてもでることのないだろう答えを諦め、思考の海から出る。
「・・・・これ、鈴にあげるよ」
「え、いいの?」
「ああ。折り紙のお礼だ。こんなもので申し訳ないが・・・・」
「い、いい!全然いい!ありがとう」
まるでおもちゃを買ってもらった子供のような明るい顔で受け取る鈴が、なんだか愛らしく見える。気に入ってもらえて何よりだが本当にこんなものでよかったのだろうか?
「すごくきれいに折れているからな。こういうものは女子なら喜んでも違和感ないだろ」
箒のフォロー。彼女もよく僕の考えを察知してカバーをしてもらうことも多かった。
「それじゃ、箒にはコレを」
「鶴か。私もいいのか?」
「いつもお世話になっているから。本当はもっとちゃんとしたものをあげたかったんだが・・・・」
「いや、これでも十分だ。ありがとう」
こんなものでも喜んでくれるのがうれしい。僕がなにかをして友達が笑顔になってくれるのが心地いい。
・・・・ラウラ・ボーデヴィッヒ。彼女もこんな風に笑うのだろうか?
このときは何故かそんなことを考えていた。
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