死神と滅殺者
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、俺とミザールは手を繋いで無いと歩けなかった。オバケには、散々苦い思い出があるからな。
暫くすると、暖かな光が洩れる通路が目に入った。
「あっ、安全地帯よ!」
「奥にプレイヤーが一人いる。グリーンだ」
「シンカー!」
するとユリエールが叫び、走り出した。右に湾曲した通路を数秒間走ると、大きな十字路と、その先の小部屋が目にはいる。その入り口には一人のプレイヤーが。
「ユリエール!!」
「シンカー!!」
ユリエールが走り出すと同時に、俺の索敵スキルに反応が出る。部屋の手前数メートル、俺達のいる通路と直角に交わっている道の右側死角に、黄色いカーソルが出現していた。
表示名は<Tne Fatal-scythe>ーー運命の鎌と言う固有名を持つモンスター。間違い無くボスだが………。知らない、俺はこんなモンスターを配置した覚えは無いぞ!?
「くそっ!!」
俺は敏捷値を最大にして駆けると、ユリエールの体を抱き抱え、そのまま安全エリア前に移動する。そこでユリエールを降ろし、カーソルを確認すると、向きを変え、キリト達へ突進しようとしていた。だが、キリト達はすぐに気付き、安全エリアに来る。
「お前ら、今すぐ脱出しろ」
「何でだ?」
「識別スキルでもデータが見えない。恐らく、90層クラスのボスだ」
「……!?」
アスナが息をのんで体を強張らせる。
「俺が時間を稼ぐ。その内に脱出しろ」
「ならライトも一緒に………」
「後でいく。だから先に脱出しててくれ、ミザール」
俺は王牙刀を抜き放つと、死神に駆ける。
「システムコマンド!アタックブースト、ディフェンスブースト!!」
すると、俺の周りにウインドウが展開し、HPバーに攻撃力・防御力上昇のアイコンが出る。
その時、鎌を振り被った死神が、ローブから黒い物を撒き散らしながら恐ろしい勢いで突進してくる。
「舐めんなァ!!」
俺は大きく跳躍すると、太刀を鎌にぶつける。火花が散り、俺は大きく後ろに後退、死神は少し下がっただけだった。
「システム有りでこれじゃ、あれのプログラムがチートって事かよ………」
呟くと同時に死神が再び突進してくる。
「突進しか能のねぇ奴が!!」
俺は太刀を垂直に前に出すと、走り、あのモーションを起こす。
「ぜりゃあ!!」
俺の放ったウォーパルブレイクは、死神のHPバーに大ダメージを与えたものの、ゲージは未だ健在していた。
「チッ………。!?」
舌打ちし、離れようとしたとき、死神の鎌が俺に振られた。下からの攻撃を回避出来る訳もなく、俺は太刀を納刀し、鞘ごと鎌をガードするが、大鎌は俺を吹き飛ばし、壁にぶつかった。
意識が朦朧とするなか、HPバーを確認する。
「………はっ、一撃でこれかよ。笑えねぇぜ…………」
ディフェンスブーストのお陰か、HPはレッド、しか
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