第二話 大角少佐!!柔の道の奥義を見よ!その五
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鈴木は子供達に柔道を教えていく、その指導は実にわかりやすく丁寧なものだった。その状況を部屋のテレビのDVD映像で見てだ。
悪田部は伊藤を傍らに置いた小喬で己の執務用の机からだ、自身の前に立つ尚智と尚武に対して問うた。
「どう思うか」
「剣道の時と同じですよね」
「大久保少佐の時と」
二人はその映像を見ながら眉を顰めさせていた、そのうえで悪田部に答える。
「子供に武道を通じて人の道を教えて」
「そこから大義も教えて」
「それからですよね」
「再併合の支持をより高めていくんですね」
「そうだ、そしてだ」
支持をより高めた後でだった。
「それが満ちた時にだ」
「いよいよですね」
「再併合ですね」
「しかも悪いことにだ」
悪田部は二人にこのことも話した。
「国民の支持だけでなくだ」
「国際世論もですよね」
「日帝衆を支持していますよね」
「しかも圧倒的なだ」
日本国内のそれと同じくだ。
「あの半島の災厄には世界中が頭を痛めている」
「一七四ヶ国ですね」
「日本を除いた」
一七五ヶ国から日本を除けば一七四ヶ国になる、実に簡単な算数だ。
「よくもそれだけ進出して」
「迷惑を与えていますね」
「その災厄を日帝衆が止める」
「それならですね」
「そうだ、国際世論も支持していてだ」
悪田部は二人にさらに話していく。
「太平洋共同体でも日帝衆は顧問をしているがな」
「日帝衆のやることなら、ってことで」
「反対意見ないんですよね」
「しかも国連もですよね」
「あっちでも」
「そうだ、日帝衆の再併合案は手放しで賛美されている」
最高の政策としてというのだ、彼等の。
「ましてや日本は最早国連の常任理事国でもあるからな」
「まあ日帝衆がそうさせてくれたんですけれどね」
「国連も改革してくれましたし」
「それで国連も随分機能的になって風通しもよくなって」
「よくなりましたけれどね」
「そのことはいい」
悪田部も国連のことはよしとしている、それが言葉に出ている。
「忌まわしいヤルタ体制が消え我が国が常任理事国となり改革も成し遂げられたことはだ」
「ええ、そのことは本当に」
「俺達もいいと思います」
「もう俺達敗戦国じゃないですから」
「堂々たる十ある常任理事国のうちの一国ですから」
それまでの五ヶ国に加えてドイツ、インド、エジプト、ブラジル、そして日本が加わったのだ。日本も今では拒否権を持っている堂々たる常任理事国なのだ。
「全部日帝衆のお陰ですよ」
「そのことは」
「あの人達少なくとも有能ですからね」
「極めつけで」
「だからそれはいいのだ」
国連のことはというのだ。
「最高だ。しかしだ」
「ええ、それでも」
「本当に」
「問題がある」
そ
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