第二話 大角少佐!!柔の道の奥義を見よ!その三
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「子供達に再併合の大義を教えてくれています」
「その意義と素晴らしさを」
「わかり申した」
西郷は二人の言葉を聞き目を開いて述べた。
「それではでごわす」
「このままですか」
「作戦を」
「続けてもらうでごわす」
その鈴木にというのだ。
「そしてジャスティスカイザーが来れば」
「あの卑劣漢ですか」
「陸軍衆を卑怯な手段で破った」
ここで二人の顔が顰められた、そのうえでの言葉だった。
「全く以て嫌しむべき輩であります」
「剣道の勝負に人工衛星を持ち込むとは」
「そして我等の大義を邪魔するとは」
「何たる不埒者共か」
「それで正義は勝つとは」
「破廉恥極まります」
「その者達が来ればでごわす」
その時はというのだ。
「鈴木少佐はやってくれるでごわすな」
「はい、必ず」
「鈴木少佐ならばです」
二人は西郷に確かな声で答える。
「間違いなくです」
「ジャスティスカイザーを倒してくれます」
「正々堂々とです」
「そうしてくれます」
「そうでごわすな。卑怯卑劣に対してあくまで正々堂々と」
西郷は腕を組み言った。
「それこそが日帝衆でごわす」
「そうです、ですから」
「鈴木少佐にお任せ下さい」
ジャスティスカイザーについてもだというのだ。
「それでは」
「その様に」
「わかったでごわす」
こうしてだった、西郷は今回の作戦を鈴木に一任することにした、鈴木は背は然程大きくはなかった。一七〇あるかないかだ。
だが子供達に対してだ、相手を務める二メートルの海軍の若手士官を投げ飛ばす姿を見せてからこう言うのだった、無論場所は柔道場で柔道着を着ている。帯は紅だ。
「柔道とは何か」
「はい、柔よく剛を制す」
「そうですね」
「柔道は」
「そうだ、しかしだ」
ここで子供達にだ、鈴木はさらに語った。
「それは身体のことではないのだ」
「えっ、そうなんですか?」
「柔道って身体の大きい人を投げるんじゃないんですか?」
「技を使って」
「そうするものじゃないんですか」
「それなら身体の大きい者は柔道をしてはならないということになる」
そうなるというのだ。
「それは違う」
「そうなんですか」
「そうじゃないんですか」
「柔道は武道だ」
鈴木が言う根拠はそこにあった。
「武道は身体だけでなく心も鍛えるものだな」
「心身をでしたね」
「武道はそのどちらも鍛えるもの」
「先生いつも私達に教えてくれますね」
「武道はそうしたものだって」
「そうだ、私は君達にいつも言っているがだ」
その武道のことをだ。
「それはだ」
「身体だけじゃないんですね」
「心も鍛えないとならない」
「さもなければ」
「若し身体だけを鍛え心を鍛えずして技だけを使えば」
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