第肆話『プロローグ 再び湘南』
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アタシの名前は辻堂愛。湘南にある稲村学園の一応番長をやってる。実際そんなの興味ないんだけどいつの間にかそういうことになってた。やっぱり入学初日に喧嘩を全部買ってたのがいけなかったかな。
まあ、喧嘩は好きだから別に良いんだけど、あんま目立ちたくないんだよな恥ずかしいし。
「………」
家に入る前にふと隣の家を見る。今日も明かりはついていない。そりゃそうか、帰ってくるなんて聞いてないし。
「……はぁ〜」
溜息をついてから家に入った。
辻堂雄介の純愛ロード
第肆話『プロローグ 再び湘南』
「ただいまー」
「ええ、それじゃあ楽しみにしてるわね」
家に入ると母さんが電話をしていた。しかも、いつもよりいい笑顔で…。
「あら、愛。お帰り。遅かったわね」
「うん。ちょっとね。それより、電話誰から?」
「うふふ、誰だと思う?」
意味ありげに微笑む母さん。
「気持ち悪い顔しないでよ。どうせ、父さんでしょ」
「ぶっぶー!!はっずれ〜」
くっ、なんかスッゲームカツク。ガキみたいなリアクションしやがって。
「歳を考えろよな」(ボソ)
ギロッ!!
「………何か言った?」
「い……いえ、何も」
相変わらず母さんに睨まれると背筋が凍りそうになる。
「本当に解らないの?まったく、いつからこんな薄情な子になったのかしら…」
「うるさいな、わかんねぇーもんはわかんねぇーよ。それで、誰なの?」
「もう、しょうがないわね。ユウくんよ。ユウくんが帰ってくるのよ」
◇◇◇◇◇◇
「帰って来るのか………あいつ…」
あいつ……辻堂雄介、アタシの従兄。十数年前に広島に引っ越してから一回も連絡を取ってない。
アタシは机の引き出しを開けて指輪を取り出した。ユウとの約束の証。喧嘩をするせいでまともにはめたのはユウが引っ越ししたあの日だけだ。
「はやく、帰ってこないかなぁ…」
ベッドに転がり呟く。逢いたいなぁ、ユウ…。
Side雄介
「それじゃあ、父さん」
「ああ、身体には気をつけろよ」
「大丈夫だって、そう言う面では父さんよりしっかりしてるから。父さんの方こそ気を付けてよ」
「解っている。真琴さん達によろしくな」
「うん。澪、そろそろ行くぞ」
「はい。行ってくるね。お父さん、お母さん」
お互い親に別れの挨拶を済ませて新幹線に乗り込んだ。
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